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【映画コラム】4月後半公開の映画から『人はなぜラブレターを書くのか』『今日からぼくが村の映画館』『ソング・サング・ブルー』

『ソング・サング・ブルー』(4月17日公開)

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 今は“歌まね歌手”となったマイク(ヒュー・ジャックマン)は、同じ情熱を胸に秘めたクレア(ケイト・ハドソン)と出会い、“ライトニング&サンダー”というバンドを結成し、人々の心をつかんでいく。

 アメリカの人気歌手ニール・ダイアモンドのトリビュートバンドとして活動したサルディーナ夫妻の実話を基に描いた音楽映画。クレイグ・ブリュワーが監督・脚本を手がけた。ダイアモンドの名曲の数々をジャックマンとハドソンが圧倒的なパフォーマンスで歌い上げる。

 前半の、2人が成功していくところは、画面から音楽活動やバンドの魅力があふれ、見ているこちらの気分も高揚し、楽しい気分になる。

 クレアが事故に遭う後半は、夫婦や家族の厳しい物語へと転化するが、夫婦を囲む愛すべきキャラクターたちの存在が救いとなる。

 たとえダイアモンドの曲を知らなくても音楽映画として十分に楽しめるところが本作の真骨頂ではあるのだが、彼の曲を聴けばさらに魅力が増す。ある意味、これはダイアモンドの魅力を再発見する映画でもあるのだ。

 映画のタイトルでもあり、ジャックマンがギターの弾き語りで何度も歌う「ソング・サング・ブルー=悲しい気持ちで歌われた歌」は、「ブルーな気分も歌ってしまえば前向きになれる」という、映画のテーマを言い当てたような曲。

 ダイアモンドの曲の中で最も有名な「スイート・キャロライン」のキャロラインは、ケネディ元大統領の娘キャロライン・ケネディのことらしい。1990年代にMLBボストン・レッドソックスの応援歌として使われるようになり、楽しさや雰囲気を共有する曲として広まった。「ニール・ダイアモンドには他にも名曲がある」としてマイクが歌いたがらなかったのが面白い。

 ライトニング&サンダーがパール・ジャムの前座として登場し、エディ・ヴェダー(ジョン・ベックウェス)とコラボする「ブルー・ジーンズ・ライフ」は、エンディングロールでも流れるので、この映画の”第二のテーマ曲”とも呼ぶべきもの。日本でも「やる気満々」(79)というドラマの主題歌として使われたので、懐かしく思う人もいるのでは。
(田中雄二)