-まさに、皆さんが一丸となって作り上げた映画ですね。ところで、撮影は2019年の年末から20年の年始に行われたそうですが、公開に至るまでどんな苦労がありましたか。
武田 映画が完成するまでは皆さんにお任せするしかなかったんですけど、完成した後、劇場で上映してもらうまでが大変だったよね。
吉村 大変でした。いろんな劇場に手紙を書いたりして。
武田 映画って、撮って完成して終わりじゃないので、どうやって届けたらいいんだろうって。今回は、撮影よりもそれが一番大変でした。
-この映画でそういうことを初めて経験して、映画に対する向き合い方は変わりましたか。
武田 変わりました。普段は、すでにある企画に出演が決まってから、台本をもらって参加する形ですし、撮影が終わって映画が完成した後も、宣伝部の方々が全部予定を組んでくれます。今回はそういうベースがない状態から経験したので、改めて映画に関わる各部署の方々を尊敬しましたし、ものづくりって「楽しい」、「大変だ」という感情だけでなく、本当にいろんなものが詰まって進んでいくんだなと。そういうことをひしひしと感じた分、「映画って面白いな」という気持ちがより強くなりました。
-吉村さんはいかがですか。ご自身の一言から始まった映画が公開までたどり着きましたが。
吉村 後悔しています(笑)。というのは冗談で、後悔はありません。
武田 一言でみんなを巻き込む力を持っているんですよね。みんなが「界人のためなら」って動いてくれる。
吉村 そんな力、ないですよ(笑)。
武田 そんなこと言っても、褒めるとてんぐになるんですけど(笑)。
-最後に、公開を控えた今の気持ちを聞かせてください。
吉村 企画から参加した分、作品に対する思い入れが強まりましたし、できるだけ多くの人に見てほしいという気持ちも強くなりました。「年末年始、時間はあるけど、やることがなくて退屈だな」という方は、老若男女を問わず、気軽に見てほしいです。
武田 自分たちが始めたことなので、どんな結果になっても受け止めますが、たくさんのスタッフを巻き込んだ責任があります。年末年始、忙しい方々が体を張って協力してくれたので、一人でも多くの方に見ていただけるように、できる限り皆さんにお届けしていきたいです。
(取材・文・写真/井上健一)
公式サイト:japanese-style-movie.com