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宮澤佐江、アイドルから俳優へ 「ステージの上で生きていることを感じられる」【インタビュー】

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 AKB48として活躍した後、現在は俳優として数々の舞台や映像作品に出演している宮澤佐江。2023年1月12日から開幕するミュージカル「キングアーサー」では、グィネヴィア役を小南満佑子とダブルキャストで演じる。宮澤に、本作への意気込みや役作りについて、さらには23年の目標などを聞いた。

宮澤佐江 (C)エンタメOVO

-公演に向けてミュージカル「キングアーサー」の稽古が進んでいますが、手応えは?

 これまでにもいろいろなミュージカルに出演させていただいてきましたが、稽古が始まったばかりの頃は、毎回、緊張しています。ただ、ようやく今(取材当時)、緊張がほぐれてきて、それと同時にキャストの方々や演出家のオ・ルピナさんとのコミュニケーションが取れるようになってきたという段階です。

-宮澤さんが演じるグィネヴィアはどんな役柄ですか。

 浦井健治さんが演じる主人公アーサーの妻で、前向きで愉快で活気あふれる女性です。育ちがいいので品もありますが、冗談を交えて話すこともできるという魅力的な女性なので、今、一生懸命役作りをしています。

-演じる上で特に意識していることは?

 この作品は、物語の前半と後半とでは雰囲気が大きく変わります。前半は、愉快なシーンやキラキラしたシーンが多いのですが、二幕後半はシリアスな場面が増えてきます。なので、役の振り幅を意識して演じたいと思っています。

-脚本を読んで共感できるところはありましたか。

 ここ数年、「運命」や「運」について考えることがあったので、そういう意味では、共感できるところも多かったです。アーサーが物語のラストで、民衆に訴え掛けるシーンがあるのですが、そのアーサーの言葉は私自身にもとても響きました。「運命とはこういうことだ」というものを伝えていると思うので、納得してお芝居ができています。

-「運命」について考えるきっかけがあったのですか。

 これがということではなく、そして変な意味ではなく、スピリチュアル的なものに興味を持ち始めたというのがきっかけでした。出会うべくして出会った人がいると思いますし、私が今回この「キングアーサー」に出演することができるというのも一つの運命だなと思うんです。もちろん、自分の選択によっては、違う人生を歩んでいたのかもしれないと思うこともありますが、でも、今のこの私だからこの作品に出演することができるし、もし、私がこの何年間で違う選択をしていたら、今、ここにいる運命ではなかったのかもしれない。そんなことを考えています。この作品が伝える「運命」とはまた違うかもしれませんが、自分が今、感じている「運命」がリンクして感じられました。

-グィネヴィアをダブルキャストで演じる小南さんの印象は?

 年下ですが、すごくしっかりしているので心強いです。グィネヴィアにも共通する品を持っているのに、関西人なのでノリもいい。すてきな女性だなと思いますし、いつも支えられています。私、ダブルキャストで演じるが好きなんですよ。シングルキャストだと視野がどうしても狭まってしまう気がして。ダブルキャストだと、相手の方が演じている姿を見て、周りがどういう反応をしているのかとか、立ち位置のこととか、作品全体を冷静に、俯瞰(ふかん)で見ることができるんです。それに、役柄について迷っていることや悩みも相談できますし、私には相乗効果しかない。今回も、一緒に作っていけたらと思います。

-ところで、宮澤さんは16年にグループを卒業後、舞台やミュージカルを中心に活動しています。以前から、舞台や演じることに興味があったのですか。

 もともとは、もちろんアイドルになりたくて芸能界に入ったので、ミュージカル女優に憧れていたわけではありませんでした。ただ、アイドル活動の中でお芝居に出会い、お芝居をしているうちにその楽しさに気付いて、もっとお芝居をしたいという思いが大きくなりました。今、たくさんの舞台やミュージカルに出演させていただいているのはありがたい気持ちでいっぱいなのですが、ミュージカルに出演することを目指してたくさん下積みをして、本格的に勉強されてきた方ばかりのこの世界に、私がいさせてもらうことはおこがましいという気持ちもあります。こんなぽっと出の私がって。それでも続けているのは、やっぱりミュージカルの楽しさ、面白さを感じているからです。