-『シャザム』の1作目を見たときの感想と、今回の脚本を読んだときの印象は? 何か変化はありましたか。
レイチェル 1作目は大好きでした。とても心の温まる映画で、『E.T.』(82)や『グーニーズ』(85)のような、古いアンブリン映画を思い起こさせるところがありました。美しい家族の物語である一方、異世界を描くSF的な要素も満載です。でも根底にあるのは家族愛の物語。今回の脚本を読んだときは、三姉妹の要素が加わったのはとてもいいチョイスだと思ったし、二つの家族が対照的に描かれているところが、神々の領域と人間界とを対比させる上でも効果的で、面白いと思いました。
ルーシー 1作目は軽やかだったし、笑えたし、とても面白いと思いました。スーパーヒーローになる子どもたちの世界を描いているわけですが、その世界観は純粋無垢(むく)。だから大人だけではもたらすことができない特別な味わいがあります。そういう遊び心が満載な感じが良かったです。
今回は多くの続編と同じように、スケールアップしていて、より幅広い客層に向けた作品に仕上げています。ところが、今回はスーパーヒーロー同士の対決ではなく、ギリシア神話の女神たちとの対決という、一段と遠い異世界を描いています。そうやって、この先も自由にストーリー展開を模索できるように作っているところがスマートだと思うし、この作品を特別なものにしていると思います。ヒーロー物といえば、悪党や富豪、世界を滅ぼそうとたくらみ科学実験をする悪人などとの対決がお決まりだけど、このように女神を登場させることはあまりないですよね。
-最後に、日本の観客に向けたメッセージと見どころを。
レイチェル この映画は魔法、ドラゴンなど、素晴らしい視覚効果と笑いが満載で、キャスト同士の愛が伝わる映画だと思います。日本の皆さんにぜひ見てほしいです。
ルーシー 私は日本が大好きです。日本の文化、言葉、日本の皆さんが大好きだし、日本ほどファンの愛があふれている国はないと思います。そして日本を訪れるたびに皆さんの歓迎ぶりに感動します。
レイチェルの説明に付け加えていうなら、これは遊び心と喜びにあふれている映画。最近はいろんな映画が作られているから、さまざまなCGやユニバースやマルチバースが出現して、追い駆けきれないところまで来ているけれど、この作品は神話のクリーチャーやキャラクターが登場するから一味違うと思います。そして思いっきりエンターテインメントをやっています。だから、ただただ2時間を楽しんでもらえたらうれしいです。
日本の皆さんは映画をリピートして見ることが多く、あれこれ調べたり、いろんな話題で盛り上がったりするらしいですね。それは他の国でも見られる傾向だけど、日本はアニメでも最先端を行っている。世界中のさまざまな創造性につながるような、種をまく国なのだと思います。そんな日本の皆さんに、この作品を見てもらえるのはとても光栄なことです。
(取材・文/田中雄二)