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「この映画を見て、人間は変わることができるということを感じてもらえたらうれしいです」レベッカ・ミラー監督『ブルックリンでオペラを』【インタビュー】

-最後に流れる、ブルース・スプリングスティーンの「Addicted to Romance=恋愛依存症」はカトリーナのことを歌っているのですね。

 ブルースとは少し縁があって、『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』(15)の時に、彼の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」という曲を使わせてもらいました。今回は、奥さまに連絡をして、曲を書いてほしいとお願いし、2人に映画を見てもらいました。そうしたら、すごく気に入ってくれて、3日間であの美しい曲を書いてくれました。この映画は、人間が互いにインスピレーションを与え合うことがテーマの一つなので、この映画と彼のインスピレーションのサイクルが合ったことが、とてもうれしかったです。確かに、この曲はカトリーナのために書き下ろされた曲です。私の解釈では、「人生に遅すぎるということはない。セカンドチャンスはいつだってそこにある」ということを言っているのだと思います。カトリーナには、人生を諦めてしまったところがありますが、彼女にもまだチャンスがあるということです。

-この映画を見て、往年のスクリューボールコメディーやビリー・ワイルダーやウディ・アレンの映画を思い出しました。影響を受けたり、意識した映画はありましたか。

 ワイルダーと、アレンの名前を出していただいてとてもうれしいです。例えば、ワイルダーに関しては、『アパートの鍵貸します』(60)が大好きなのですが、あの作品のトーンは、とても変わっていると思います。コメディー調なのだけれど、悲しさや哀愁みたいなものが根底にあって、シャーリー・マクレーンが演じるヒロインが、とてもつらい経験をしますが、その中で、観客が微妙な空気を感じるような作りになっています。そんなところが私のインスピレーションとつながっています。アレンに関しては、コメディーという側面で大きく影響されています。コメディーの書き方や、レンズの中で振り付けをするようなカメラワークが素晴らしくて、そこにもとても影響を受けています。

-最後に日本の観客に向けて一言お願いします。

 人生は、常に形を変え続けていくものなので、何かを変えたいと思うことに遅過ぎることはないと思います。時に私たちは、自分でギブアップをしてしまうことがあると思いますが、自分を変えること、あるいは変化は求めれば得ることができると思うので、この映画を見て、人間は変わることができるということを感じてもらえたらうれしいです。

(取材・文/田中雄二)

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