東京農業大学(江口文陽学長)は近畿大学、東京海洋大学と、海洋研究の魅力を伝えるイベント「海の豊かさを守ろううシンポジウムー海洋研究からSDGsを考えるー」を、大阪市のあべのハルカスで5月20日に開き、3大学の教員と大学院生が、海洋研究の最前線を紹介。
会場には海洋研究に興味を持つ中高生ら、定員いっぱいの150人が全国から集まり、オンライン中継は300人以上が視聴した。あべのハルカスでは同時に3大学の進学相談会も行ったことから、中高生のほか保護者や高校の教員も集ってにぎわった。
シンポジウムではまず、海面魚類養殖のパイオニアである近畿大学から、水産研究所の家戸敬太郎教授が登壇。「近大マグロの完全養殖研究と持続可能な養殖産業への貢献」とのテーマで、海水魚養殖の歴史から近大の海水魚養殖の状況、クロマグロの完全養殖をめぐる長年の取り組みについて講演した。
![家戸敬太郎近畿大学教授](https://d10tw3woq6mt3i.cloudfront.net/wp-content/uploads/2023/05/b06cae837cedf6982fc8c1845688fa1c-300x178.jpg)
続いて日本の水産科学をリードする東京海洋大学から、学術研究院海洋生物資源学部門の團重樹准教授が登壇。「タコ類の生態解明と増養殖技術開発」とのテーマで、タコ類の生物学的・水産学的特徴、増養殖研究での生態解明の必要性や、人工養殖技術の開発について、動画を使って解説した。
![團重樹東京海洋大学准教授](https://d10tw3woq6mt3i.cloudfront.net/wp-content/uploads/2023/05/8e7e8d6cb1052a587b5a50a436a39116-300x176.jpg)
北海道オホーツクにもキャンパスがあり、大自然を生かした水産増殖学を展開する東京農業大学からは、生物産業学部海洋水産学科の市川卓准教授が登壇。「サケを守り、地域を守る」といのテーマで、北海道の重要な水産資源であるサケの生態と、資源を増やす取り組みについて、活動内容やその意義を紹介した。
![市川卓東京農業大学准教授](https://d10tw3woq6mt3i.cloudfront.net/wp-content/uploads/2023/05/8d3b11b71ddcb4198d66ad5c75a18a77-300x177.jpg)
続く「3大学の学生による海洋の実学の学び」では、3人が海洋調査・研究の面白さを報告した。それぞれのテーマは以下の通り。
▽「近大マグロのご近所さん」近畿大学大学院農学研究科水産学専攻博士前期課程2年、中髙誠一さん
▽「東京海洋大学での研究生活」東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科海洋生命資源科学専攻博士前期課程1年、 藤原咲紀さん
▽「北海道における海獣の野外調査と研究」東京農業大学大学院生物産業学研究科海洋水産学専攻博士前期課程2年、三浦雄大さん
![左から近大の中髙さん、海洋大の藤原さん、東農大の三浦さん](https://d10tw3woq6mt3i.cloudfront.net/wp-content/uploads/2023/05/bfeb4a002486163c7b2bcecbf8314976-300x173.jpg)
最後に、タレントのココリコ・田中直樹さんが登場し、中川至純東京農業大学教授と「私たちにできる海の豊かさを守る取り組み」とのテーマで特別対談した。海洋生物好きで知られ、MSC(海洋管理協議会)ジャパンのアンバサダーも務める田中直樹さんは、中川教授と海の生物や海洋保護について語り合った。
![ココリコ・田中直樹さん(左)、中川至純東京農業大学教授](https://d10tw3woq6mt3i.cloudfront.net/wp-content/uploads/2023/05/2fb5430e48a0a73537d1226d865dbc97-300x178.jpg)
シンポジウムは東京農業大学が主催、近畿大学と東京海洋大学が共催した。後援は水産庁、AIGLE、株式会社共同通信社。一般社団法人MSCジャパンが協力した。
![右は江口文陽東京農業大学学長](https://d10tw3woq6mt3i.cloudfront.net/wp-content/uploads/2023/05/35cfd8a3d187b14278aea23360ce8008-300x176.jpg)