東京都立大学大学院都市環境科学研究科のグループは、東南アジア原産で「果物の王様」と呼ばれる熱帯果樹ドリアンが開花するには15日程度の乾燥が必要なことを明らかにした。
ドリアンは、経験的に乾燥や低温によって開花が誘導されると考えられてきたが、具体的な気象条件は分かっていなかった。今回の研究成果は、開花時期や収穫量の予測など栽培管理の効率化に役立つとともに、東南アジア熱帯雨林の生態や進化の解明に寄与すると期待されている。
研究グループは、緻密な現地調査を行った結果、15日間降水量移動平均が1ミリを下回るとドリアンの開花が誘導され、約50日後に開花する可能性が高いことを突き止めた。またドリアンが、東南アジア熱帯雨林で多くの種類の樹木が不定期に同調して開花する「一斉開花現象」と類似していることも分かったという。
研究成果は英科学誌「インターナショナル・ジャーナル・オブ・バイオメテオロロジー」に掲載された。研究グループのメンバーは、同大江口碧博士後期課程学生や沼田真也教授ら。