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アルコール度数16%の新感覚ビール「ビアボール」が11月15日発売 その正しい飲み方とは?

 

 サントリーの新しいチャレンジから生まれた、ソーダで自由に割って飲むアルコール度数16%の「ビアボール」が、発売を11月15日に控えている。一般販売に先行して「ビアボール」を提供している大阪・難波の立ち飲み屋「魚屋ひでぞう」(ひでぞう・大阪市)で試飲会が開催され、サントリーの担当者が新しいお酒の正しい飲み方を紹介してくれた。

「魚屋ひでぞう」の料理とビアボール。

 そもそも「ビールをソーダで割って飲む」という発想はどこから生まれたのか。サントリー近畿営業本部の山根健介さんに、「ビアボール」の開発について聞いてみた。

 「“ビール離れ”という言葉があるように、ビールが下降トレンドの中、ビール事業と外食産業の活性化につながる製品にしたいという思いを込めました。20~30代は1杯目にビールでないものを飲む、というデータも。次世代の飲み人に対して、まずはビアボールでビールを知っていただき、そこからおいしい生ビールを飲むという流れに」というのが狙いだという。

 ビアボールの名称については、「ウイスキーをソーダで割って飲むのが“ハイボール”なように、ビールのソーダ割りというカテゴリー名をそのまま冠にした」という。

親しみのある柄とターコイズブルーのラベルの「ビアボール」の瓶を手にした、サントリーの山根健介さん。
氷の入ったビアボールのグラス。薄くなってきたら追い足しすればいいので、薄まることを気にせずに氷を入れられる。

 焼酎で割って飲むビール味の清涼飲料水「ホッピー」が居酒屋の定番となっている関東に対して、関西では「ホッピー」ですら無名だ。そこで、関西では作り方の丁寧な告知に努めているという。

 「瓶ビールと間違えられて『?』となったら困るので、ポスターにQRコードを掲載して作り方を丁寧に説明しています。“割る”という言葉を使わずに“つくる”という表現にしたのも、他のソーダ割りの飲み物とは違って、先にソーダを入れてからビアボールを好みで足していくから」と解説してくれた。

「ビアボール うまいらしいで 知らんけど」と書かれた関西版ポスター。
追い足しロック(16%)をグラスに注ぐ。ソーダにビアボールを後から注ぐと泡が立ってしまうので、「先ソーダ、後ビアボール」が鉄則。

 飲み慣れない若い人を想定したとはいえ、ビール好きにも新しいアルコール飲料という楽しみを与えてくれる。

 OVO取材班は、「魚屋ひでぞう」で提供している定番の4%、濃い目の8%、そしてロック(16%)の3つの濃さを試してみた。炭酸水で割るからなのか、普段飲み慣れたビール味ではなく、クラフトビールのような濃厚な香り。アイルランドのギネスビールのような風合いでもある。ロックは、ウイスキーのようにパンチがあるのに味はビールという、まさに新感覚のお酒といえそうだ。

 「サントリーとしての推奨は3対1でつくるアルコール度数4%。ただ、これが絶対ということではなくて、もっと濃い目が良い場合は8%に上げられるし、ちょっとビールが苦手かもという人は2%に下げることが可能。レモンやトマトなどフレーバーも変えられる。自分好みのドリンクをぜひ」

提灯が灯る頃には満席になる人気店「魚屋ひでぞう」
ビアボールを注ぐ「魚屋ひでぞう」オーナーの塚本万里奈さん。「最初は売れるのかなと思ったけれど、お客さんからは“ビールと違って飲みやすい”、“面白い”という声が上がっている」。