東京都の伊豆諸島北部に位置する新島村(にいじまむら)は、「新島(にいじま)」と「式根島(しきねじま)」の二つの有人島から成る村。同村ではこのほど、「地域おこし協力隊」3人(フルタイム会計年度任用職員3、1年更新・最長3年)の募集を始めた。新島村と雇用関係を結び、島で接客・案内業務をしたり、さらには島の新しい過ごし方を村職員と一緒に作っていったりするのが仕事だ。申込期間は2月13日(月)まで。
波が穏やかで透明度の高い海、海沿いに湧く天然温泉、プラネタリウムのような星空が魅力の新島村の観光シーズンは、5月から9月。海水浴を中心としたマリンアクティビティーや海を目の前に行うバーベキューなど、都会ではできない体験と大自然を満喫しようと、年間4万人の観光客の7割がこの時期に来島する。
新島と式根島のそれぞれに観光協会があるが、新島では人材確保の難しさなどから今年度いっぱいで観光協会が閉じることに。今後も多くの来島者を迎え入れるため、村役場が事業主体となり新たな観光案内の窓口「もやい窓口」を立ち上げることになった。地域おこし協力隊は、「もやい窓口」にもスタッフとして加わり、“客の目線”を生かしつつ村職員と協力し案内の業務を作っていく。さらに来島者が減りがちな冬場に向けて、島の人々との出会いや島の文化を体験したり、ワーケーションやリモートワークでも快適に過ごしたりできるプランなど、島の新しい過ごし方の企画提案にも期待を寄せている。ちなみに「もやい」とは、島の言葉で「助け合い」の意。
地域おこし協力隊の仕事は、1~3年目は「夏;島旅案内人」としての夏の観光窓口がメイン業務。来島者を笑顔で迎え、宿泊施設やキャンプ場、サーフィン情報などの案内を行う。勤務場所はフェリー乗り場に隣接する「船客待合所」。着任後は、窓口対応・電話メール対応を身に付けることから始まり、土日も窓口案内のために3人の協力隊と役場職員でシフトを組んで出勤する。朝夕の事務所清掃や、BBQ施設などの清掃も行う。また、2年目からは「冬;関係案内人」としての役割が加わる。穏やかな島の冬を楽しむプランを考え、役場や観光事業者と協力し、夏以外のシーズンでも来島者が楽しめる企画作成などに関わっていく。3年の任期終了後の定住を必須とはしていない。
いきなり企画を作るのではなく、できるだけ地域のイベントに参加し、島のおいしいものを食べて島の魅力を堪能し、友達をたくさん作る「島を知る1年目」、観光の窓口業務を通して、役場や観光関係者たちと関係を築き、冬場の企画アイデアなどを膨らませていく「関係をつくる2年目」、秋冬にも人を常時呼び込めるような企画を打ち始める「挑戦する3年目」というプロセスで進んでいく。
協力隊の住まいは、海まで徒歩1分、サーフィンスポットまで車で5分ほどの教員用住宅。独身、夫婦一緒でも十分に住める1LDKで、バス・トイレ別、独立洗面台、エアコン1台付き。3人の協力隊に一部屋ずつ準備される。
「お酒が好き」「アウトドアやサーフィン、マリンアクティビティーが好き」「スナックや居酒屋など飲食店での勤務経験がある(バイトリーダー歓迎)」「電話オペレーターやコンビニ、スーパーでの勤務経験がある」「観光協会で働いた経験がある」「新しい人と関わることが好きで、お世話好きな方」……こんな人たちにオススメという。
応募条件(必須)は、「普通免許があり、海が好きなこと」「地域おこし協力隊の地域要件に該当すること」「3大都市圏の都市地域、政令指定都市など(過疎、山村、離島、半島などに該当しない市町村)から転出し、任期中は新島村に居住及び住民票の異動ができること」、そして「年齢、性別は問わない」。応募は、新島村役場企画調整室「地域おこし協力隊募集係」まで、郵送またはメールcyousei@niijima.comで。
提出書類は、履歴書(JIS規格形式、写真添付)、職務経歴書(自己PR・志望動機必須)。2月13日(月)の1次選考締め切り・書類選考の後、2月18日(土)にオンライン面接を実施。2月下旬に3次選考(現地面接)が予定されている。応募条件詳細や給与や福利厚生面、現地見学希望などの問い合わせは、新島村 企画財政課 企画調整室(電話:04992-5-0204、メール:cyousei@niijima.com )まで。