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【はばたけラボ コラム】全国の離島を結ぶ 「アイランダー高校生サミット」とは

 未来世代がはばたくために何ができるかを考えるプロジェクト「はばたけラボ」。食べること、くらすこと、周りと関わること、ワクワクすること・・・。今のくらしや感覚・感性を見直していく連載シリーズ。「アイランダー高校生サミット2023」実行委員長・菊地琉生さんが、イベントを通して離島とそこで生きる価値について考える。

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 全国の離島の高校生もしくは離島出身の大学生が、オンライン上に集い、島の垣根を越えた交流を通して絆を育む。そして、自分たちの島の魅力や課題について学び、そこに生きる自分たち自身の価値に気づくためのイベント、「アイランダー高校生サミット2023」が12月に開催されます。このサミットは、大正大学と日本離島センターが共同で開催するもので、企画・運営は、離島出身の大学生と離島に住む高校生で構成された実行委員会が担っています。

 先述した通り、実行委員は昨年度行った「第0回アイランダー高校生サミット」に参加した高校生の有志と、そこにスタッフとして参加した離島出身の大学生で構成されています。実行委員長である私は、東京都新島村出身で、高校生までの18年間、島で暮らしていました。今は、大学でまちづくりについて学んでいます。

 実行委員会は、オンライン上で月2回集まってミーティングを行い、そこで盛んに交流しています。実行委員会のメンバーは、北は北海道の奥尻島、南は沖縄県の石垣島まで散らばっているため、1回ごとのオンライン・ミーティングは、実行委員会同士の絆を育んでいくためにも重要な時間です。また、先日は高校生の夏休みを利用して東京での対面ミーティングを行い、充実した時間を過ごすことができました。

 実行委員会では、今回のテーマを「思い合って、高め合って、日常に続いていく」とし、そんなサミットを目指して日々の活動に取り組んでいます。その背景には、前回の反省点である“楽しかっただけで終わらせたくない”、“会議が終わっても気軽に集まって、互いを鼓舞し合える関係性を築きたい”といったような実行委員一人一人の思いが込められています。そして、これを実現するために、高校生の参加のハードルを少しでも下げ、参加した高校生一人一人の気持ちに寄り添えるよう、さまざまな工夫を凝らしています。詳しい内容は当日に期待してください。そして、このサミットに参加してくれた高校生が、自分とその島に対して自信と誇りを持って日常に帰っていく、日常に帰ってからも島の垣根を越えた絆を実感できるとうれしいです!

 私はたまたま離島出身で、たまたま大学で離島も含むさまざまな地域について学んでいます。そして今回もたまたま、たくさんのご縁が巡って初代実行委員長になりました。正直、私は名ばかりの委員長で、頼もしい実行委員たちに支えられてばかりです。ですが、実行委員会のたびにそれぞれの島で育った人との絆を強く感じています。そして、たまたま島で生まれ育った自分が誇らしくなります。だからこそ、今回参加してくれる高校生にも、自分と同じように島に生まれることができた奇跡をかみしめてもらえるよう、自分にできること、自分にしかできないことを探しながら“のびのびと”頑張ります。みんなで最高のサミットにしましょう!

アイランダー高校生サミットのポスター
アイランダー高校生サミットのポスター

 

菊地琉生(きくち・りゅうせい)

2001年東京都新島村生まれ。大正大学地域創生学部所属。「アイランダー高校生サミット2023」実行委員長。大学進学に当たって島を離れる。大学では全国のさまざまな地域で実習を行っており、現場を体感しながら実践的に地域について学んでいる。

#はばたけラボは、日々のくらしを通じて未来世代のはばたきを応援するプロジェクトです。誰もが幸せな100年未来をともに創りあげるために、食をはじめとした「くらし」を見つめ直す機会や、くらしの中に夢中になれる楽しさ、ワクワク感を実感できる体験を提供します。そのために、パートナー企業であるキッコーマン、クリナップ、クレハ、信州ハム、住友生命保険、全国農業協同組合連合会、日清オイリオグループ、雪印メグミルク、アートネイチャー、東京農業大学、グリーン・シップ、ヤンマーホールディングス、ハイセンスジャパンとともにさまざまな活動を行っています。