カルチャー

重要文化財をVRで楽しむ 徳川将軍家菩提寺所蔵の壁画

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 美術館から新築マンションのモデルルームまで、家にいながら体験できるVRコンテンツが増えている。このほど、愛知県岡崎市にある徳川将軍家の菩提寺・成道山大樹寺が所蔵する重要文化財、大方丈障壁画のVR360°動画が公開された。プロデュースは株式会社一旗(名古屋市)。非公開の重要文化財を高精細な仮想空間で体験できる。

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 1475年に松平家の菩提寺として創建された大樹寺は、1855年火災で主要建物が全焼。1856年に規模を少し小さくして再建され、その翌年冷泉為恭によって総数140面以上の膨大な障壁画が描きあげられた。鉄線之間、次に続く牡丹之間、鶴之間は火災以前の大方丈の障壁画と同じテーマを用い、伝統的な狩野派の漢画様式で描かれている。上段之間、下段之間はやまと絵様式で描かれており、3つの部屋の雰囲気とがらりと変わり、まるで平安の王朝世界へとタイムスリップしたような気分に浸ることができる。