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思い出を存分に語り合い、前に進む 「あの頃に会いに行く 南三陸の暮らし展」

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 東日本大震災でなくなってしまった街並みや風景、思い出を、町民をはじめ多くの人たちが語り合える場に――。東日本大震災伝承館「南三陸311メモリアル」 (宮城県南三陸町)内の無料公開広場で、特別企画展「あの頃に会いに行く南三陸の暮らし展」が始まった。館内の展示ギャラリーでは、企画展「それでも私たちは歩み続けた」を同時開催している。5月15日までの9時~17時、火曜休館。

特別企画展「あの頃に会いに行く南三陸の暮らし展」
特別企画展「あの頃に会いに行く南三陸の暮らし展」

 特別企画展「あの頃に会いに行く南三陸の暮らし展」では、広く一般公募した震災前の南三陸町の写真を、提供者の思い出も合わせて展示。会場には、同施設のある志津川地区の街並みを再現した模型(建築家の槻橋修氏と神戸大学槻橋研究室が監修)をエリア毎に分割展示する。

震災前の街並み
震災前の街並み

 企画展「それでも私たちは歩み続けた」では、大津波に何もかもを奪われた南三陸町の住民たちが最も困惑したことや、それぞれの場所で震災後の1年間、どのように窮地を乗り切ったのかに焦点を当て、バナーと町民の証言映像などを展示する。震災後初めての追悼式では、当時の町内の小学生たちが一年を振り返りながら自分たちで作った歌を披露。その貴重な記録も初公開する。

コーディネーター吉川由美
コーディネーター吉川由美

 3月26日(日)13時30分~15時には南三陸ポータルセンターで、トークイベント「みんなで語ろう! 懐かしの南三陸」も開催。ファシリテーターは、仙台市を中心に宮城県各地で古い写真や映像を収集・展示している「3.11オモイデアーカイブ」の佐藤正実氏。コーディネーターは、アート活動を通した支援プロジェクト「みんなで南三陸」プロジェクトを展開してきた文化事業ディレクター・演出家の吉川由美氏。参加者が持参した震災前の懐かしい南三陸町の写真や映像を囲み、思い出を語り合う。参加無料、定員30人。事前申し込みが必要(申し込み多数の場合抽選)。

 南三陸311メモリアルは、防災・減災について自分ごととして考えるためのプログラムを提供する震災伝承ラーニング施設。延面積593.12平方メートルとコンパクトだが、住民たちの体験や思いに触れることができる展示やプログラムを備えている。入場料は、ラーニングシアターで選択したプログラムの所要時間別に、レギュラー(60分)は一般1000円、高校生800円、小・中学生500円、ショート(30分)は一般600円、高校生500円、小学生・中学生300円に設定されている。