カルチャー

おらほのカミさまやホトケさまが大集合する! 4月8日から企画展「みちのく いとしい仏たち」

《六観音立像》 江戸時代 宝積寺 岩手県葛巻町 撮影:須藤弘敏
《六観音立像》 江戸時代 宝積寺 岩手県葛巻町 撮影:須藤弘敏

 おらほのカミさまやホトケさまが大集結! 信仰と造形の本質を問い直す。
 全国各地の寺院の本堂には端正な仏像がご本尊としてまつられ、仏教の教えを象徴する役割を果たしている。一方、お寺の本堂でないお堂や祠(ほこら)、あるいは民家の神棚には、地元の大工や職人らによる木造の素朴なカミさまやホトケさまがまつられている。

 北東北にはユニークな「民間仏」が数多く残されており、いまも人々によって大切に守られている。そのやさしく、ほっこりするような造形は、厳しい風土に生きる人々ならではの切なる思いがそのまま託された祈りのカタチといえよう。

 仏像には本来、儀軌(ぎき)という造形上の決まりごとがあるが、江戸時代の地方の人々は、そのルールにとらわれない自由な発想で、自分たちの信ずるところのカミさま、ホトケさまの姿を刻んで、信仰の対象としてきたのだ。

《 矜羯羅童子立像》 (部分)江戸時代 洞圓寺 青森県田子町 撮影:須藤弘敏
《 矜羯羅童子立像》 (部分)江戸時代 洞圓寺 青森県田子町 撮影:須藤弘敏

 そんな民間仏がいかに素朴で稚拙であったとしても、それを必要とした人たちがいたことを忘れてはいけない。生きるのが必死な時代、祈りを聞いてくれる存在があれば十分だった。素朴で単純な造形は、率直で飾り気のない信仰の反映ともいえる。

《観音菩薩坐像(三十三観音のうち)》 右衛門四良(衛門史郎)作 江戸時代 法蓮寺 青森県十和田市 撮影:須藤弘敏
《観音菩薩坐像(三十三観音のうち)》 右衛門四良(衛門史郎)作 江戸時代 法蓮寺 青森県十和田市 撮影:須藤弘敏

 これまで顧みられることがなかった青森、岩手、秋田の民間仏およそ130点が一堂に会する「みちのく いとしい仏たち」が4月8日(土)から5月21日(日)まで岩手県立美術館(岩手県盛岡市本宮字松幅12-3)で開催される。

《子安観音坐像》(部分) 江戸時代 慈眼寺 青森県五所川原市 撮影:須藤弘敏
《子安観音坐像》(部分) 江戸時代 慈眼寺 青森県五所川原市 撮影:須藤弘敏

 開館時間は午前9時半から午後6時(入館は午後5時半まで)。休館日は月曜日(ただし5月1日は開館)。観覧料は一般1200円、高校生・学生700円、小学生・中学生500円。電話は019-658-1711。本展覧会に関する問い合わせは、吉田尊子(よしだ・たかこ)さん―t_yoshida@ima.or.jpまで。

 関連イベントも開催される。弘前大学名誉教授で本展覧会の監修者である須藤弘敏氏が4月22日(土)の午後2時から3時半まで「みちのくの仏たち 知られざるもう一つの魅力」と題して講演。また5月4日(木・祝)の午後2時から1時間半、跡見学園女子大学教授の矢島新氏が「日本美術における『かわいい』について」講演する予定。

 参加希望者は当日直接ホールに集合。参加は無料。関連イベントについての問い合わせは岩渕毅弘(いわぶち・たけひろ)さんーiwabuchi@ima.or.jpまで。

 本展覧会は、9月16日(土)から11月19日(日)まで龍谷大学・龍谷ミュージアム(京都府京都市下京区丸屋町117:075-351-2500)、12月2日(土)から2024年2月12日(月・休)まで東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1:JR東京駅北口改札近く:03-3212-2485)へと巡回する予定。