カルチャー

藤井六冠にコナミ年間パス 七冠に向け健康維持も万全

藤井聡太六冠に全国コナミスポーツクラブ年間利用パスを贈ったコナミグループの東尾公彦社長(左)=東京都港区のホテルオークラ東京
藤井聡太六冠に全国コナミスポーツクラブ年間利用パスを贈ったコナミグループの東尾公彦社長(左)=東京都港区のホテルオークラ東京

 藤井聡太六冠(20)の第48期棋王就位式(共同通信社、日本将棋連盟主催)が5月24日、東京都内のホテルで開かれ、棋王戦特別協賛社のコナミグループが、棋王獲得の副賞として全国コナミスポーツクラブ年間利用パスを藤井六冠に贈った。「名人」獲得まであと1勝と七冠に王手をかけ、将棋タイトル全八冠達成も視野に入る藤井六冠にとっては、年間利用パスは今後の激戦を勝ち抜くためにも必要な健康を維持する上で格好の“贈り物”といえるかもしれない。

 謝辞の中で棋王獲得の戦いを振り返った藤井六冠は「厳しい局面が続き自分の長所と短所がともによく出たシリーズだった。来期の防衛戦でより良い勝利をお見せできるよう今後いっそう精進していきたい」と気を引き締めた。

棋王就位状を手にする藤井聡太六冠
棋王就位状を手にする藤井聡太六冠

 藤井六冠は5月22日、第81期名人戦7番勝負第4局で渡辺明名人(39)に勝って3勝1敗とし、名人獲得に王手をかけている。次の名人戦第5局は5月31日と6月1日に行われる。この日の棋王就位式は、藤井六冠にとっては激戦が続く名人戦の合間を縫っての出席となり、関係者の祝辞では、ハードスケジュールの中で七、八冠に挑む藤井六冠の健康を気遣う言葉も多かった。

あいさつする信濃毎日新聞社の小坂壮太郎社長
あいさつする信濃毎日新聞社の小坂壮太郎社長

 長野市の長野ホテル犀北館で2月5日行われた棋王戦第1局を主催した信濃毎日新聞社の小坂壮太郎社長は「藤井棋王は、全タイトルの制覇、八冠に向けて激戦のさなかにある。ほとんど休みもなく対局を続けておられるので、体調に十分留意され、将棋ファンをあっと驚かせる鮮やかな一手で悲願を達成していただきたい」とあいさつ。花束を藤井六冠に手渡した女流棋士の室田伊緒二段(34)は「まだまだタイトル戦は続きますので、健康には一番に気を付けて頑張っていただきたい」と師匠が同じ同門の弟弟子の健康を気にかけていた。

花束を手渡す室田伊緒二段(左)
花束を手渡す室田伊緒二段(左)

 コナミグループは、年間利用パスのほかフィットネスグッズ一式も贈った。あいさつしたコナミグループの東尾公彦社長は「藤井さんの初めての棋王タイトル獲得がコナミグループの棋王戦特別協賛開始時期と重なり大変光栄だ。社員、取引先、関係者、将棋ファンから喜びの声がコナミグループにたくさん届いている。想定以上の反響だ。藤井棋王に書いていただいた六冠の色紙はコナミグループ本社に飾り、来訪者の皆さんの目を楽しませている」と特別協賛の意義を語った。その上で将棋に熱中した自身の“将棋少年時代”を振り返りながら、現在の藤井六冠の活躍に触れ、「ご自身の才能、努力はもちろん、家族や師匠、ファンなど周囲のサポートが(藤井六冠の)活躍を支えているのではないか」とサポートの重要性を指摘した。

 この日の棋王就位式には関係者約200人が参加。棋王戦協賛社の大塚製薬は副賞として藤井六冠に「カロリーメイト」1年分を贈呈した。

藤井聡太六冠に「カロリーメイト」1年分を贈呈した大塚製薬の佐藤真至常務執行役員(左)
藤井聡太六冠に「カロリーメイト」1年分を贈呈した大塚製薬の佐藤真至常務執行役員(左)

 式の冒頭、棋王戦を主催する株式会社共同通信社と日本将棋連盟の代表がそれぞれあいさつした。三土正司・株式会社共同通信社社長は「新聞好きの藤井さんは、興味のないことでも見出しを通じて目に入るため視野が広がると新聞の良さをインタビューで語っている。将棋の中で藤井さんの先を読む力は、新聞を読む力が基礎になっているのではないかと(手前みそにはなるが)勝手に解釈している」、佐藤康光・日本将棋連盟会長は「(全8タイトルの)過半数を保持するだけでも大変なことなのに、さらに加速して(七冠、八冠への)上昇を目指しているところはちょっと驚異的」と藤井六冠の飛び抜けた強さをそれぞれたたえた。