2025年4月から開催予定の「大阪・関西万博」は、これまでのところ、150超の国と地域や、10弱の国際機関が参加を表明するなど、国際的なイベントとして準備が着々と進んでいる。「大阪・関西万博」を控え、神戸からも盛り上げようと、学生らの有志が「神戸万博」(後援・神戸市、ラジオ関西)を6月10~11日、「メリケンパーク」(神戸市中央区)で開く。
神戸万博のテーマは「若者の力で地域を繫(つな)ぐ」だ。今春まで日本経済大学に在籍し、現在は社会人の神戸万博実行委員長の藤野翔平さんに、イベント概要や開催の目的などを聞いた。
▼無料チケットを配布
神戸万博は地域の祭りとして、藤野さんらをはじめとした地元の学生や若者有志が「実行委員会」を立ち上げ、地域の子どもたち、家族、企業、シルバー層などを「繋げる」ことを目指し、開催する。入場は無料。
藤野さんは、「お祭りを通じ、コロナ禍で忘れてしまった地元の魅力や、人との繋がりを再確認できるイベントにしたい」と意気込みを語った上で「阪神大震災後の神戸の復興を次世代につなげることや、神戸の児童養護施設の子どもたちを応援したい」と強調している。
当日の「メリケンパーク」の会場では、イベントのシンボルとして、協賛した企業、応援してくれた個人の名前を書いた提灯(ちょうちん)を一堂に飾る「提灯櫓(やぐら)」を設置するほか、「未来へつなぐ『希望の灯り』」というタイトルで、子どもたちに将来の夢や、やりたいことなどを寄せ書きしてもらうコーナーもつくる。
このほか、10店舗以上のキッチンカーがフランクフルトソーセージや焼きそば、ラーメン、ギョーザ、スイーツなどを有料で提供し、来場者のおなかを満たす。出店に当たっては、フード関連業に特化した職業紹介事業、求人サイト運営などを手がけるクックビズ(大阪市)が、レストランなどに声がけし、実現できたという。
児童養護施設の子どもたちを応援するため、このイベントでは、神戸市内の児童養護施設の子どもたちを招待し、フードブースで無料チケットを全員に配布する。
▼より多くの「笑顔」
当日のコラボイベントとしては、「KOBEメリケンプロレス」が会場内で試合を披露するほか、社会人アメリカンフットボールチーム「西宮ブルーインズ」の選手たちが指導する「フラッグフットボール体験会」を実施し、子どもたちだけではなく、大人たちも楽しめるよう工夫をした。
藤野さんは福島県生まれの福島育ちで、小学6年生のころ、東日本大震災で被災した経験を持つ。福島県の沿岸部から避難してきた住民や、両親を亡くした児童養護施設で暮らす子どもたちと、身近に接する機会もあったという。大学進学を機に、「震災」でつながりのある神戸市に移り、被災地ボランティアや子ども食堂などで活動してきた。
藤野さんは神戸万博について「『若者の力で地域を繫ぐ』をテーマに、地域を盛り上げようと熱い思いのある学生らが奮闘しています。会場で来場者の方々が、より多くの『笑顔』をつくっていただけるよう頑張りますので、ぜひお越しください」と話している。