モノのデザインは時代を映す。特に生活の中にある身近なモノたちは、デザインが生まれた時の空気をまとっていて、まとめて見ると年表のように面白い。日本橋高島屋S.C.(高島屋)では、「椅子とめぐる20世紀のデザイン展」を2024年2月29日~3月18日まで開催する。アール・ヌーヴォー、バウハウス、ミッド・センチュリー、イタリアン・モダンまで、20世紀100年におけるデザインの変遷を、椅子研究家の織田憲嗣(おだ・のりつぐ)氏のコレクションから厳選した100脚の名作椅子を案内役にしてたどる。
織田氏が長年かけて収集、研究してきた20世紀のすぐれたデザインの家具と、日用品のコレクションは、北欧を中心とした椅子やテーブルから照明、食器やカトラリー、木製のおもちゃまで多岐にわたる。写真や図面、文献などの資料を含め系統立てて集積されており、近代デザイン史の変遷を俯瞰(ふかん)できる学術的にも貴重な資料だ。実際に、名作椅子に座ることができるコーナーもあり、座り心地を比べて楽しめる。入場料は一般1200円、大学・高校生1000円、中学生以下無料。