短いスパンで流行が変わるものの一つが化粧。ましてや江戸時代ともなれば、解説なしには分からないさまざまな慣習や心情表現が化粧の背景にある。江戸時代の通過儀礼としての化粧に焦点を当てた「初化粧」展(ポーラ文化研究所・東京)が12月19日から東京で開催される。
江戸時代、化粧には身分や階級、年齢、職業によって多くの決まりごとがあり、成人、結婚、出産などライフステージの変化を機に「初めて行う化粧」があったのだそうだ。その通過儀礼の中でも、特に既婚女性を象徴する「剃(そ)り眉」と「丸髷(まるまげ)」に焦点を当て、化粧の持つ社会的な意味や「初化粧」への思い、不安やためらいを掘り下げる。
五渡亭国貞や三代歌川豊国の浮世絵など未婚・既婚女性のよそおいを描いた作品、江戸時代後期の眉つくり道具、当時の髪型を約2分の1の大きさで再現した「結髪雛形(けっぱつひながた)」などを展示。川柳や絵画資料なども挙げながら、多角的に読み解いていく。
会期は12月19日(木)~2025年3月28日(金)。場所はポーラ文化研究所 化粧文化ギャラリー(東京都港区南青山2-5-17 ポーラ青山ビルディング1F)。開室日は木曜日・金曜日(※木曜日は予約制)。休室日は12月20日・2025年1月2日・1月3日・3月20日。開室時間は11時~17時(最終入室は16時30分まで)。入場無料。