カルチャー

人類は宇宙のことをどれだけ理解し、何がわかっていないのか 研究者が見る宇宙の最前線とさらなる深遠な謎

 知れば知るほど分からないことが増えてくる、というのは、どんな世界にも共通することなのだろう。日本の天文学者9人による共著『天文学者が1を知ると、宇宙は10の謎を投げかけてくる』(河出書房新社、税込み2178円)が発売された。研究者たちが見ている宇宙の最前線、最新の研究で見えてきた宇宙の謎を垣間見ることができる。

 天文学は歴史の長い学問の一つ。宇宙を観測する技術は近年飛躍的に発達し、現代で最も大きく進展している学問でもある。新しい天文観測によって、長年探し求めていたものがついに観測できるようになったり、まったく予想していなかった新天体や新現象が発見されたり。そしてそのような進展があるたびに、宇宙のさらに深遠な謎が見えてくる。

 ブラックホール、系外惑星、重力波、高速電波バーストなど天文ファンが気になるテーマを取り上げて、「最近やっとわかったこと」と「まだわかっていないこと」について解説する。また、用語解説や章のテーマについて簡単にまとめたページもある。