カルチャー

経済と文化結ぶ、関西発スタートアップフォーラム 発起人はレゲエ歌手の三木道三さん  

「RISE KANSAI 2026」で登壇する三木道三さん(左から2人目)

 大阪なんばで8月26日、経済と文化を結んで関西を盛り上げようというフォーラム「RISE KANSAI 2026」が開かれた。発起人はヒット曲「Lifetime Respect」で知られるレゲエ歌手の三木道三(DOZAN11)さんだ。会場では、著名なスタートアップの幹部から、掛け軸など日本の伝統文化の担い手までが登壇し、新たな挑戦を探った。

 「日本のことが好き。それが僕の音楽や人生の原点であり、日本語でしっかり日本人に分かる歌詞を、しかも関西弁で書き、(歌手として)米国や東京中心の芸能世界へのカウンター活動をやってきた」。

 日本文化の継承に力を尽くしたいと考え、出身地の奈良の社寺でレゲエを奉納する活動も続けてきた道三さん。10年前にスピーカーとして参加したスタートアップカンファレンスを機に、経営者らの持つエネルギーに引かれ、日本文化を盛り上げることへの期待を彼らにかけたい、と思うようになったという。2025年に、新興企業支援事業を行う会社「DOZAN PARTNERS」を設立。交流があった関西の企業などと「大阪でカンファレンスをやろう」と、一緒に「RISE KANSAI」実行委員会を立ち上げた。

 

▽ミドリムシ、関西浮揚、神話と歴史

 会場となった、なんばの大型ライブハウス。関西エリアを中心に全国から約500人が参加し、壇上では3つのセッションが同時に行われた。

経済、文化をテーマにした3つの異なるセッションが壇上で一斉に行われた会場

 

 中央では、バイオベンチャー・ユーグレナの出雲充社長がバングラデシュで取り組むミドリムシクッキーの給食について語り、その右側で、近鉄ベンチャーパートナーズ、オリックス不動産、タカラスタンダードの新規事業担当者が関西浮揚について意見を交わす。左側の語り手は、神話や歴史を掘り下げるユーチューバー・サムさんと道三さんだ。「歴史が照らす日本の未来」をテーマに、歴史や文化を知ってこそ開ける未来の楽しさ、面白さを伝える。来場者は、経済・文化の二軸で展開される多彩なセッションから、専用のレシーバーで好きなものを選べ、興味がわいた複数のスピーカーの話を会場移動せずに視聴することもできる。

 

▽文化をビジネスの知恵や源泉に

 ビジネスとカルチャーを融合させた場で新しい気づきを提示する仕組みが、RISE KANSAIの特徴だ。関西は日本文化発祥の地であり、「歴史や土地柄を利用することで、他が対抗できない唯一無二につなげられる。文化っていうものを、知恵やアイデアの源泉にしてほしい」(道三さん)。

「文化っていうものを知恵やアイデアの源泉にしてほしい」と話す三木道三さん

 

 フォーラム全体の登壇者は、大阪・関西万博の大屋根リングを設計した建築家の藤本壮介さん、「スキマバイト」の紹介を手がけるタイミーの小川嶺社長、現代美術家で「寺子屋 余白」を主宰するミヤケマイさんらを含む43人。これから事業を広げようとする経営者8人がエントリーしたピッチコンテストや、参加者が相互交流するネットワーキングもあった。

 道三さんは、関西のポテンシャルは「人のバイタリティー、前に出る気質」にあると考えている。「ひとりひとりが面白い。加えて、ここで(RISE KANSAIを)やることで、地域のエコシステムが生きる可能性が大いにある。関西ならではのことができる」と、この先の挑戦にも思いをはせた。

会場を埋めた来場者