一方、穴山梅雪を演じた田辺は、「穴山は歴史上『裏切り者』とも言われていますが、現実には人間は記号のように、ひと言では表せないと思っています。たとえ『裏切り者』と思われても、守りたい正義があったのではないかと思います。この役を演じさせてもらう以上、そこに誤解がある場合、少しでも晴らしたいと思って演じました。あえて言うならば『裏切りではなく、領民の命を守るために主君とは別の道を歩む決意をした男』」と穴山の人物像を語った。
本能寺の変の後、堺から国へ逃げ戻る中で最期を迎える穴山の生き様については、「最後は…無念だったと思います。しかし、その後、家康が自分の息子に武田を名乗らせて武田家を存続させようとしたことを考えると、家康も穴山の決断、気持ちを分かってくれたのかと思いますので、そうだとしたらうれしいです。個人的には伊賀越えで、瀬名が夢見た泰平の世を作れるであろう家康を守るため、『自分が家康だ』と言って討ち取られたと思いたいです」とコメントを寄せた。