NHK大河ドラマ「どうする家康」プレミアムトークin小牧市が13日、愛知県内で行われた。第1部では、「どうする家康」の時代考証を担当している平山優さんの講演、第2部にムロツヨシと浜野謙太が登場。約1300人の観客の前で、トークショーを開催した。
豊臣(羽柴)秀吉を演じているムロは、これまでの放送を振り返り、「家康と信長の距離感が印象的。信長を演じた岡田准一さんの芝居には、家康との確執と友情を強く感じた」とコメント。
織田信雄役の浜野は、「家康がどんどん賢くなっていく。“白ウサギ”と言われるほど頼りなかった家康の役目が織田信雄に移っていくような気がして、心なごむ人もいるのかなと思う」と語った。
この日、トークショー本番前に史跡小牧山を訪問した2人。「小牧山歴史館の展望室まで上がり、小牧の景色を一望した。本陣の距離がリアルに感じられ、ここに秀吉が来られなかった理由が分かる気がした。それだけ守備力が強かったということ」と感慨深く述べた。
また、ムロは自らの秀吉像について、「信長様に絶対的な信頼を抱き、その中で生きられればいいと思っていたが、この人は自分の才能を見抜いてくれるからこそ自分を出してもいいんだと思い始める。結果的に“ダークピエロ”になっていくが、笑われていた人間がいつのまにか天下人になれてしまったという事実を、古沢(良太)さんの脚本は描いているのだと思う。家康・信長と秀吉はいびつな三角関係」と分析。
浜野が信雄役について、「劣等感のかたまりのようで、自分に近い役。偉大な人が近くにいるところも同じで、僕の半生に似ていると思う」と明かすと、そんな浜野の言葉に、ムロは「秀吉にとっては利用価値があり、感情操作しやすい人」とニヤリ。浜野は「秀吉というより、ムロさんが怖かった」と撮影時の心境を振り返った。
家康を演じる松本潤の印象については、浜野は「一定の温かさがある。撮影現場で配置なども提案する姿に、今まで演出なども手掛けてきた経験が生かされているんだと驚いた」。ムロは「作品を背負う不安が自信となり、背中が大きくなっていく姿をそばで見ていた。白ウサギが本当にタヌキになっていくのか、皆さんの目で見届けてほしい」とそれぞれ語った。
さらに、今後の見どころについて、浜野は「小牧・長久手の戦いは知識としてはあったが、こんなに面白いのか! と。家康のすごさと成長も感じられ、戦国好きとしてもワクワクした」と話し、ムロは「なぜ小牧・長久手の戦いが重要視されているのか、なぜ秀吉がこれをプラスに働かせられたのかも楽しんでもらえると思う。“ダークピエロ”が頑張りますので、ぜひ見ていただきたい」と強くアピール。2人の掛け合いの面白さと軽妙なトークに、会場は終始笑いに包まれた。