健康のため血糖の働きを正しく理解することを呼び掛ける「糖をはかる日」の10月8日、元大関・琴欧洲の鳴戸勝紀親方が医師と健康管理の在り方について語り合うトークイベント(日本生活習慣病予防協会主催、明治協賛)が東京都内で開かれ、鳴戸親方は「血糖値」と「ヘモグロビンA1c」の違いなど糖尿病リスクを的確に把握する方法を医師から学んだ。
鳴戸親方は、現役時代は強くなるために体重を増やし、引退後は健康を維持するために体重を減らしてきた経験を語り「鳴戸部屋の力士で糖尿病になった人はいない。お相撲さんの人生は引退してからが長いので、体重を増やすためにたくさん食べる現役時代に体を壊してはいけない」と力士の健康管理の重要性を指摘した。
ブルガリア生まれでレスリング選手を経て19歳で角界に入った鳴戸親方は、立ち合いを有利にするためには体重を増やさなければならなかった現役時代を振り返って「日本人力士のようにたくさんは食べられなかった。体重を増やすことには苦労しました」と話した。
一方、引退後の親方生活では後援者ら関係者から「親方はいっぱい食べるでしょう」とたくさんの料理を振る舞われる機会が多く「食べ残すことは失礼という考えがあるので、食事を食べ残したことはありません。このため現役時代とは違った意味で食事量にはとても気を付けています。健康維持には運動も大事なので時々、降車駅の1駅前で降りて目的地まで歩いたりして、体をなるべく動かすように心掛けています。またブルガリアで生まれた時からヨーグルトは毎日、食べたり飲んだりしています」と現在の健康管理法を語った。
対談相手の東京都江戸川区の一之江駅前ひまわり医院院長・伊藤大介医師は、親方の健康管理法は食事量や運動の両方を考えていて「素晴らしい」と絶賛。部屋の力士が食べている食事のメニューも「品目も多く、野菜やキノコ類も盛りだくさんで、お相撲さんが“健康的に太る”食事になっている」として評価した。

その上でお相撲さんだけでなく一般人も健康管理のために知ってほしい医学知識として「血糖値」と「ヘモグロビンA1c」の違いに言及。糖尿病リスクの指標として一般的に知られている血糖値は、「採血時の血糖の量を示す値で、食事などの影響で一日のうちに変動する。(食事面で)少し頑張ると値が下がるきわめて短期的な数値です」と説明。
一方糖化ヘモグロビンの割合を示すヘモグロビンA1cは「過去1~2カ月の長期的な血糖の状態を示している」と解説し、両方の数値を指標にして、糖尿病予防などの健康管理に努めることを勧めた。
鳴戸親方は部屋の近所の薬局で、ヘモグロビンA1cを9月4日と10月6日に2度、自主的に測定。2回とも正常値とされる「5.6」以下を大幅に下回る数値(5.2)だった。
伊藤医師は「この数値から、鳴戸親方の健康管理の取り組みが短期的なものではなく、長期的なものであることが分かります」と語った。







