「歴史」観光や「食」観光を推進してきた高知県が、19年観光シーズンを控え、新たな目玉に、豊かな「自然」と自然を生かした「体験」を打ち上げた。高知一日旅で、いち早く体験した高知の自然体験をリポートする。
■自然の魅力を一挙凝縮、山川海を楽しむ新たな高知観光
2月1日、粉雪が散る伊丹空港を出発。ボンバルディア機は、コケむした築山のように緑をまとった山脈、朝日を照り返すビニールハウスや田んぼを越えて、雲一つない高知龍馬空港に着陸した。大阪から陸路なら4、5時間かかるところ、空路では実質飛行時間たったの30分という近さだ。
まず駆けつけたのは、高知駅前のこうち旅広場で開催されている新観光キャンペーンの開幕セレモニー。尾﨑正直高知県知事の「高知県の森林面積割合は84%。森と海が非常に近く、その近い森と海を清流がつないでいます。幸いにして自然が手付かずのまま残っていて、お遍路さんの文化に代表されるおもてなし文化が根付いている。高知県の手付かずの自然、県民のおもてなしを直接感じ、パワーチャージしていただきたい」というあいさつで、「リョーマの休日~自然&体験キャンペーン~」がスタートした。
体験やアクティビティーを楽しむには、情報収集が欠かせない。高知県は特設サイトを立ち上げ、県内にある約340もの自然体験プログラム情報を、一箇所にまとめた。カテゴリーやエリア検索ができ、予約も同時に行えるよう、利便性が図られている。
セレモニーでは、特別ゲストが特設サイトを利用して、自然体験スポット探しを実演。中井美穂さんは「年取ってきたら詰め込むのは無理。ゆっくりと行って、そこで何かを発見する。行ってみてから考えるというのがいい。離島に行ってみたいです」と、抜群の透明度を誇る海の秘境・柏島(大月町)で過ごすほっこり旅を希望。高知県で最も小さい町・田野町の観光キャラクターを務めるユージさんは、「高知のいろんなところに行きましたけど、このサイトを見て、行ったことないところがまだこんなにあるんだと驚きました。僕としてはボートやラフティングが興味あるけれど、下の子が小さいので」とクルージングに興味を示した。
食と歴史に自然体験を加えたことで、高知には、若い世代から家族連れ、高齢者まで、幅広く楽しめる観光素材がそろった。山、川、海にまで広がる、地元の人だけが知る自然の魅力。これらを多くの人に体験してもらえるよう、アウトドアメーカーやオンライン旅行会社の協力を得ながら、入念な準備を行ったという。尾﨑知事は「まだ知られていない高知の魅力を、一挙に放出していきたい。皆さんに、高知を大好きになって帰っていただきたいです」と意気込みを見せた。
リョーマの休日 自然&体験キャンペーンサイト
https://kochi-experience.jp