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福山雅治「報知映画賞」で主演男優賞を受賞 「『何者かになる』という目標をかなえられた」

 報知新聞社制定の「第47回報知映画賞」の表彰式が22日、東京都内で行われ、主演男優賞の福山雅治、主演女優賞の有村架純、助演女優賞の尾野真千子ほかが出席した。

 福山は『沈黙のパレード』の演技で主演男優賞を受賞。同作の西谷弘監督や、友人の秋元康氏から花束を受け取ると、満面の笑みを浮かべた。

 「『ガリレオ』という作品は、今に至るまで、およそ15年かかっています。(原作者の)東野(圭吾)先生が生み出した『ガリレオ』、そして、われわれがスタッフ、キャストと作り上げたこの“発明”が、15年かけて認められた、そんな思いです」と喜びを語った。

 また、「僕はもう53歳。17歳のときに父を亡くし、そのときちょうど父が53歳。そして18歳で『何者かになってやる』という思いで上京しました」と語った。

 続けて、「そのときは正直、何も持っていなかったに等しい。でも、たとえ何も持っていなくとも、出会う人や“こと”、全てを自分の体に血肉化して、『何者かになってやるんだ』という思いでいた。そして今日、その『何者かになる』という一つの目標が、この場所で一度かなえられた、そんな気がしております」と感慨深げに語った。

 最後に、「謙虚でありたいと思いながらも、謙遜し過ぎるのも、共にものをつくってきた方々に失礼に当たるので、この賞を誇りに思いながら受け止めたい。そしてまたこの場に呼んでいただけるよう、精進してまいります」と言葉に力を込めた。

 有村は、元犯罪者の社会復帰に寄り添う保護司の阿川佳代を演じた『前科者』で、主演女優賞を受賞した。

 「魂が震える思いで日々撮影していました。誰かと対峙(たいじ)する難しさも佳代を通じて学んだし、そのようにいつも作品を通じて、私自身大きな影響を受けています。その学びがあるからこそ、現場に携わり続けたいと思うし、演じることを諦めたくないと思います」と語った。

 三つの作品の演技で、助演女優賞に輝いた尾野は「たくさんお芝居させていただけるだけでも日々幸せなのに、こんな賞まで頂けて、もっともっと幸せな気分になりました。『もっと頑張れ』と言われたような気持ちです。だから、もうちょっとこの世界で頑張ってみようと思います」とスピーチした。

 『流浪の月』の演技で助演男優賞を受賞した横浜流星は、撮影中のため表彰式を欠席。ビデオメッセージで受賞の喜びを伝えた。

*第47回報知映画賞の主な受賞は以下の通り。

作品賞(邦画部門):『ある男』
作品賞(海外部門):『トップガン マーヴェリック』
アニメ作品賞:劇場版『四畳半タイムマシンブルース』
主演男優賞:福山雅治/『沈黙のパレード』
主演女優賞:有村架純/『前科者』
助演男優賞:横浜流星/『流浪の月』
助演女優賞:尾野真千子/『20歳のソウル』『千夜、一夜』『サバカンSABAKAN』
監督賞:片山慎三/『さがす』
新人賞:嵐莉菜/『マイスモールランド』
新人賞:白鳥晴都/『ぜんぶ、ボクのせい』