福島県浪江町から生まれた色鮮やかなブランド野菜　「ゴルゴ・ナミエ」「月と太陽」2つのビーツブランドが誕生

　東日本大震災で甚大な被害を受けた地域の食産業を応援する活動を、震災があった2011年から続けている「一般社団法人東の食の会」 (東京)。同会がプロデュースする福島県浪江町のコミュニティー実験農場「なみえ星降る農園」では、2021年11月の開園以来、肥料としてヒトデをまいて土づくりを行い、さまざまな珍しい作物の実験的な栽培に取り組んできた。このたび、その中で好評を得たビーツ3種類（いずれもイタリア原産のゴルゴ、ルナ、ソーレ）を、「ゴルゴ・ナミエ」「月と太陽」の2つのブランド名で栽培していくこととし、それぞれのブランド・ロゴを発表した。浪江町の名産野菜に育てることを目指していく。

　「ゴルゴ・ナミエ」は浪江で育った「ゴルゴ」という品種のビーツのブランド。鮮やかな渦巻き模様を生かしてサラダやピクルスにぴったり。「月と太陽」は浪江で育った「ルナ」と「ソーレ」という2種類のビーツのブランド。ルナは中が鮮やかな黄色、ソーレは濃い赤紫色をしているのが特徴で、ルナはイタリア語で「月」、ソーレは「太陽」を意味する。サラダやピクルスのほか、鮮やかな色を生かしたソースにも最適。この2色のビーツをコンビに見立てて「月と太陽」というブランドで販売していく。

　「ゴルゴ」「月と太陽」を実際に使ってメニューを試作した東京・恵比寿のフランス料理店「ビストロ・ダルブル恵比寿」の無藤哲弥シェフは「想像していたよりも見事に育っていて味も良い。浪江はタマネギやニンニクなど根菜に適した土地でもあり、ビーツは浪江の土が待っていた野菜ではないでしょうか」。福島県いわき市の⾼級フレンチレストラン「HAGIフランス料理店」の萩春朋シェフは「浪江の太陽と土と水を吸って大きく育ったビーツはみずみずしく新鮮で、ゆでても丸ごとローストしても、蜂蜜のような甘さが出てしっかりした味わい。新しく仲間入りするビーツは浪江の特産品として今後浪江を華やかに彩ってくれると思います」とのコメントを寄せている。

　「なみえ星降る農園」は、浪江町の農業者と東北のヒーロー生産者・住民・東北の食のファンが一緒になって、さまざまな農作物を実験的に栽培していくコミュニティー実験農場。浪江や日本で栽培されてこなかった農作物を実験的に栽培し、浪江の気候や土壌に合い、名産品となる可能性のある作物を探求している。浪江を訪れる人たちと一緒に作業に関われる農園とし、東北を代表する“スター”生産者が集まり、地域の名産品となるような“スター”作物を産み出し、さらに、肥料として土壌改良と獣害対策に有効とされる星型の「ヒトデ」を活用していることから、「星降る」農園と名付けたという。