東京・池袋のサンシャイン水族館で、「世界ペンギン・カワウソの日 in サンシャイン水族館2023(ペンギン編)」が、4月28日(金)まで開かれている。
アフリカ大陸に生息するケープペンギンは、魚の乱獲、地球温暖化、異常気象による小魚の減少などの影響で、15年後にはいなくなってしまうといわれている(絶滅危惧Ⅱ類)。今回のイベントは、ケープペンギンたちが幸せになる未来を目指し、パネル展示や映像などで、ペンギン・カワウソの魅力を発信し、生態や生き物を取り巻く環境問題・社会問題に目を向けてもらう。水族館入場料のみで楽しめる(特別イベントの「いきものキャンパス」は有料)。
これから迎えるペンギンの換羽(かんう)にも注目! 今年2月、3年ぶりにケープペンギンの赤ちゃん1羽が誕生したサンシャイン水族館。実はケープペンギンの1年の中には「換羽」という大変なイベントがある。ケープペンギンは幼鳥から成鳥になる過程で一度羽が抜け換わり、その後は1年に一度、5月から9月にかけて、全身の羽が新しいものへと抜け換わる換羽期を迎える。
羽は日光や水の影響で次第に水はじきが悪くなるため、水中でも体温を保つなどの羽の機能を保つために、春の繁殖期の後に換羽期がやってくる。換羽期の前にはエサを食いだめしてエネルギーを蓄え一気に太り、換羽中は水の中で体温が維持できないため水中には入らず、絶食状態に。換羽期には大量に羽が抜け、ペンギン1羽から集まる羽の量は飼育スタッフが集めただけでも1.5リットルペットボトルで3本分以上になるという。「太りすぎ?」「動かなくて心配」「羽がボロボロと抜けていて、病気?」などと心配する来園者もいるというが、“省エネモード”で新しい羽が生えてくるのを待つ大切な期間だ。
ペンギン飼育担当の見山航希さんは、「普段、元気よく泳ぎまわるペンギンを“動”とすると、換羽中のペンギンはまさに“静”。ジーっと巣穴にこもって羽が抜け換わるまでを過ごし、換羽が終わると待ちに待ったかのように水場へ向かいます。一連の様子を見ていると、換羽というイベントの大変さを感じることができます」とコメントしている。また、換羽途中は、ライオンのたてがみのような姿やニワトリのトサカのような姿、ポンチョを着ているような姿、最後に頭のてっぺんにだけ羽が数枚残る姿など、この時期ならではのいつもとは違ったキュートなペンギンの姿を見ることができる。同水族館では、個性あふれるペンギンたちをぜひ見にきてほしいと呼び掛けている。
営業時間は9時30分~21時。水族館入場料は大人(高校生以上)2600円~、こども(小・中学生)1300円~、幼児(4歳以上)800円~。