真夏日も記録して衣類の洗濯がはかどる季節がやってきた。しかし、長年使ってきた洗濯機の不調やカビ臭に悩まされていたり、ドラム式洗濯機に不満を感じていたり、そろそろ洗濯機の買い替えを検討している人もいるかもしれない。
家電メーカーのハイセンスジャパン(川崎市)は、2023年高機能モデル縦型洗濯機のHW-DG100XH(10キロモデル)とHW-DG80XH(8キロモデル)を6月中旬に発売すると発表した。5月12日、同製品の新商品内覧会がハイセンス家電R&Dセンターで行われた。
「洗濯時間が自由な時間に」をコンセプトに同社が開発した縦型洗濯機のHW-DG(100XH/80XH)の特徴は、本体をリモートモードに設定すると、WiFiとスマートフォンアプリを介して外出先からの洗濯が可能になること。また専用アプリ上で、運転状況の確認(時間)、コース選定の操作・予約、 エラーなどの通知などが可能で、使用する洗剤・柔軟剤の自動投入や自動槽洗浄、チャイルドロックの設定などもアプリを使って行えるという。加えて「立体シャワー水流」などの機能搭載により頑固な汚れもしっかり落とす高い洗浄力も特徴のひとつだ。
HW-DG(100XH/80XH)の外観は、木目調のガラス天板が採用され、どこか高級感が漂うスタイリッシュなデザイン。しかし、100XHの市場予想価格は9万9000円(80XHは8万9000円)と、国産他社の価格と比較しても2〜3割ほどリーズナブルだ。さらに消費電力、洗濯目安時間も遜色無く、搭載している機能も引けをとらない。しかし、実際の洗浄力や購入後のアフターフォローなど、購入時は何かと不安もある。参加した新商品内覧会では、HW-DG(100XH/80XH)の洗浄力実験などを体験してきたのでレポートしたい。
そもそも中国・青島に本社を構えるハイセンス(中国・青島)はご存知だろうか。同社は1969年に設立した老舗の巨大家電メーカーで、昨年のテレビ出荷台数は世界第2位を記録し、売り上げは全世界で3.5兆円だったという。またスポーツでは、パリ・サンジェルマンやサンフレッチェ広島、横浜DeNAベイスターズのスポンサーやパートナーシップとして知っている人もいるだろう。
その日本法人のハイセンスジャパンは、グループの子会社として2010年に設立。テレビの製造からスタートした同社はこれまでに、国内の元大手家電メーカーの技術者たちを積極的に採用し、日本基準を満たした製品を開発し販売してきた。また2018年には、東芝のテレビブランドの「レグザ」で知られる東芝映像ソリューションがグループ入りし、日本基準の画質を実現している。
▪️ HW-DG(100XH/80XH)の洗浄力
ドラム式洗濯機と比べ豊富な水量を生かして高い洗浄力をメリットとされる縦型洗濯機。ハイセンスジャパンが満を持して投入するHW-DG(100XH/80XH)の洗浄力を見ていこう。
HW-DG(100XH/80XH)で高い洗浄力をもたらす3つの技術は「立体シャワー水流」「激流パルセーター」「ダイヤモンド形状のステンレス槽(HW-DG80XHでは洗濯板形状)」だ。「立体シャワー水流」は、洗濯槽上部から出る縦水流と、側面から出る横水流を組み合わせだ立体的な水流で、これにより低い水位でも衣類をしっかりと洗浄することができるのだ。また洗濯槽の底にある「激流パルセーター」は、槽内で渦巻きのような強力な水流を起こし、衣類を舞いあげて洗浄する。さらに100XHの洗濯槽は、「ダイヤモンド形状のステンレス槽」(80XHは洗濯板形状)となり、槽内の2カ所を洗濯板形状にすることで、多めの衣類もしっかりと洗浄するという。
▪️残量が確認しやすい、引き出し式液体洗浄液・柔軟剤タンク
次に上部のフタを開けると、目に飛び込んでくるのが、引き出し式で取り外して洗浄可能な「液体洗浄液・柔軟剤タンク」だ。他社製品の場合、本体に固定され取り外しができず容器洗浄ができないものや、少量しか入れることができないものなど、このような液体洗浄液・柔軟剤タンクでは、毎日の洗濯で不便を感じる人もいるかもしれない。 HW-DG(100XH/80XH)の液体洗剤タンクは450ミリリットルで、柔軟剤タンクは550ミリリットルを一度に入れることができる。また、専用アプリを使えば銘柄に合わせた投入量までが設定でき、ノーストレスで液体洗浄液・柔軟剤の自動投入が行えるという。
▪️洗浄力検証テスト
ここまでHW-DGシリーズの高い洗浄力について解説を受けた当編集部は、同社スタッフたちから、「高い洗浄力を検証する実証実験を見てほしい」と提案された。実験は、その場で2枚の白いTシャツに「しょうゆ」と「オイスターソース」を垂らして染み込ませて、洗濯前に液体洗剤を調味料汚れに塗り込んだTシャツ(B)と、そのまま液体洗剤を付けないTシャツ(A)を衣類と共に洗濯して、洗濯前に液体洗剤を付けるという前処理の有無で汚れ落ちに差が出るかどうかを検証するというもの。
まず食べこぼし汚れを想定したTシャツ(A)と(B)を、約4キロの衣類と一緒に100XHの洗濯槽内に入れる。洗剤と柔軟剤量は標準で、水量は49〜55リットル。すすぎは1回で洗濯時間は40分という設定。ちなみに洗濯中の動作音は、筆者が所有するドラム式洗濯機と比較するととても静かだった。
そして40分経過し脱水が終わると本機は衣類のほぐし動作が作動した。本体のフタを開けると、確かに衣類同士が絡んでいないこともが確認できた。同社スタッフが洗濯槽から衣類取り出すと、「しょうゆ」と「オイスターソース」を染み込ませた(A)と(B) のTシャツを広げて見せた。すると、洗濯前に液体洗剤を付けたTシャツ(B)と洗剤をつけなかったTシャツ(A)のしょうゆとオイスターソースで汚した部分(丸で囲んだ部分)が(A)(B)どちらもきれいに汚れ落ちしていることを確認することができた。実験はTシャツについた調味料の汚れを長時間放置したものではないが、衣類に付いた調味料汚れ程度は、何もせずに簡単に洗い落とすことができるということが分かった。
▪️洗濯槽のカビ対策として搭載した槽洗浄機能
これから梅雨入りを前に気になるのが洗濯槽のカビ問題。洗濯槽のカビの主な原因は洗剤や柔軟剤のカスの蓄積が原因で、 HW-DG(100XH/80XH)は、水で汚れを洗い流す「5分」コース、月1回の定期洗浄の「4時間」コース、塩素系漂白剤を使用してしっかり洗浄する「12時間」で槽洗浄を行うコースが利用できる。また、手軽に槽洗浄できる「5分」コースで使用する水量は約10リットルのため、水道料金は1回約2.4円だという。このほか、毎回「すすぎ」後に20秒間洗濯槽を洗い流す「自動槽洗浄」機能も搭載している。
▪️国産メーカーで培った技術が集約
引き出し式の液体洗剤・柔軟剤入れ、カビ対策の槽洗浄機能、洗濯物と取り出しやすい「ローダウン設計」など、 HW-DG(100XH/80XH)はなぜ、こんなにもユーザーフレンドリーな仕様になっているのだろうか?その答えは元国内大手家電メーカーで開発を行ってきた日本人技術者たちにある。同社で洗濯機の技術開発を担当する今井さんは、「ハイセンスジャパンは、国内大手家電メーカーではできなかったことが実現でき、ユーザーファーストの目線で設計開発ができた」とその理由を教えてくれた。
▪全国294拠点のサービス体制
ここまでHW-DG(100XH/80XH)について解説してきたが、アフターフォローなどのサービス体制が気になる人もいるかもしれない。しかしそこは心配無用で、故障した場合に修理受け付けとなるコールセンターは365日体制で対応している。また同社のネットワーク修理拠点は、北海道から沖縄まで全国に294拠点あり、関東と関西にあるサービスセンターでは持ち込み修理と全国への部品供給や修理の解析などを行なっているという。
ハイセンスジャパンは、2023夏の「キャッシュバックキャンペーン」を5月18日~7月31日に実施する。洗濯機のほか、テレビ、冷蔵庫も対象で対象製品購入者には、抽選で最高10万円のVISAデジタルギフトが当たるという。洗濯機では新製品HW-DG(100XH/80XH)のほか、HW-DG1001、 同80Cも対象だ。洗濯購入を検討している人はこちらのキャンペーンもお忘れなく。