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子ども食堂に冷蔵庫など寄贈 むすびえ介してハイセンスジャパン

全国こども食堂支援センター・むすびえの湯浅誠代表(右)に寄贈目録を手渡すハイセンスジャパンの李文麗社長=川崎市のハイセンスジャパン本社、2024年4月15日

 家電製品の輸出入販売業、ハイセンスジャパン(川崎市)の李文麗社長は4月15日、全国の「子ども食堂」110団体に、大型冷蔵庫(360リットル)計57台、大型液晶テレビ計53台を寄贈したことを、寄贈要望を取りまとめたNPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(東京都渋谷区)の湯浅誠代表に報告し、寄贈目録を手渡した。湯浅代表は「(人口減少など)日本は難しい状況を迎えている中で、日本の未来をつなぐ子どもたちへの支援は大変ありがたい」と感謝の言葉を述べた。

 子ども食堂は、主に貧困家庭の子どもに無償または低料金で食事や居場所を提供する活動やその活動場所のこと。むすびえの調べによると全国の子ども食堂は約9千余り(2023年)。運営主体は篤志家の個人や任意団体など多様で、その多くが使用食材・提供加工食品の寄付を受けるなど運営費の捻出に日々苦労している。

子ども食堂支援の現状を聞くハイセンスジャパンの李文麗社長(手前右)ら

 ハイセンスジャパンは、「資金難で寄付食材を保存する冷蔵庫を買えない、子どもたちの居場所づくりのためテレビが必要だが買えない」など、子ども食堂の窮状を知り、むすびえを介して、子ども食堂の活動に必要不可欠な備品として冷蔵庫、テレビの寄贈を決めたという。

 寄贈は2021年から開始。23年からは物流企業SBS東芝ロジスティクス(東京都新宿区)の配送協力も得て、予定していた全ての寄贈を終えた。

子ども食堂の認知度を高める必要性について認識が一致したハイセンスジャパンの李文麗社長(左)と全国こども食堂支援センター・むすびえの湯浅誠代表

 寄贈目録を受け取った湯浅代表は、896自治体の消滅可能性を指摘した2014年のレポート(日本創成会議発表)に触れ「今月発表予定の同種レポートでは、10年前の896を上回る1000を超える自治体の消滅可能性が指摘されるかもしれない。いま多くの人が“終わり”を意識している。しかし、地域を未来につなげていく成長人材としての子どもたちは、このような日本の窮状を乗り越えてくれるはずだ」と子どもの成長を社会で支える重要性を強調した。

 ハイセンスジャパンの李文麗社長は「子どもは未来の社会を築く大切な存在。日本の子ども食堂を支援する機会をいただき、湯浅代表に感謝したい。今後は子ども食堂の認知度を高める活動をむすびえの皆さんと一緒に取り組んでいきたい。ハイセンスは子ども食堂への支援と併せ、地域の環境保全や二酸化炭素排出削減、女性活躍の社会づくりなど、2011年の日本市場参入以来、わが社を受け入れてくれた日本社会のために貢献していく」と話した。