平安時代に書かれた「源氏物語」。日本人なら誰もが知るとはいうものの、通読はなかなか大変な54帖。今年は作者の紫式部が大河ドラマの主人公になっていて注目されているが、源氏物語について「教養として」といえるほど知っているかというと心もとない。昭和女子大学(東京)の光葉博物館では2月2日まで、新春展「源氏物語と江戸の教養」を開催している。1月31日にはトークイベントを開催、德川家広客員教授(德川宗家第19代当主)が基調講演を行う。
展覧会では、江戸時代における教養としての源氏物語をたどる。日本の古典文学の代表作である源氏物語を描いた絵画や、「見立て」として制作された作品のほか、源氏物語の教養化がうかがえる美術工芸品をはじめ、『庭訓往来』や『女大学』といった江戸時代の教養書、『湖月抄』に代表される源氏物語の注釈書、武家の女性と源氏物語との関係性が見られる『井関隆子日紀』などの資料が展示されている。
紫式部の代名詞ともいえる源氏物語を、「教養」というキーワードから読み解くことで、江戸時代だけでなく現代の「教養」との共通点や相違点を考えることができる。入館料無料。トークイベントは申し込み不要、参加費無料。