円安も後押しとなり訪日外国人客の増加で盛り上がる観光業界。ゴールデンウイーク(GW)も控えており、国内旅行客の動向にも期待が高まる。宿泊予約サイト、ブッキング・ドットコムの日本法人ブッキング・ドットコム・ジャパン(東京都渋谷区)が東京都内で4月4日開いた「GW旅行トレンド予測発表会」では、芝浦工業大教授で若者文化に詳しいマーケティングアナリストの原田曜平さんが、今年のGW旅行を盛り上げるキーワードは「等身大風自己ブランディング」と指摘し、若者のGW旅行増加に期待する旅行業界にアドバイスした。
日本を含めた世界の若者文化を調査している原田さんはいまの最先端の若者文化の潮流として、「インスタ映え」から「動画映え」への変化と、「無加工風映え」の2つの流行を紹介した。若者の旅行はこれまで旅行地の名所旧跡の写真(静止画)を会員制交流サイト(SNS)などで発信するなどして楽しむのが定番だったが、「現在は旅先で動画を発信して楽しむ若者が多い。インスタ映えから動画映えの変化がある」として、この変化への注意を促した。
無加工風映えについては、飾らない普段の自分の姿を撮影した写真を友達同士でシェアして楽しむアプリ「BeReal(ビーリアル)」の人気ぶりを紹介した上で、「これまで写真を加工して自分を盛る若者が多かったが、いまは素の自分を発信する、盛らない無加工が若者の最先端の流行となっている。自然な姿が好まれている」と説明した。
これらの若者の潮流などを踏まえて予想した「等身大風自己ブランディング」のキーワードについては「動画映えにしてもビーリアル映えにしてもやっぱり自己ブランディングを大事にする。いまの若者は、バブル時の若者に比べ、無理して高価な物を買う傾向はあまりないが、自己ブランディングに関してはメリハリをつけた消費行動をする傾向がある。家にいてはできない自己ブランディングを可能にする旅行のイメージを若者に持ってもらう必要がある」などと話した。