図書館を利用する立場にいるとなかなか見えないが、蔵書点検は大変な作業だ。岩手県の平泉町立図書館では、図書館蔵書管理の「KoKoBo(ココボ)システム」(ugo・東京)を搭載したロボット「ugo Pro」が図書館内を移動しながら蔵書点検をしている。名前は「べんけーくん」だ。
このKoKoBoシステムは、画像解析AIを活用して本の背表紙を読み取り、蔵書データベースと照合することで蔵書点検を行うクラウドシステム。平泉町立図書館では従来、数万冊に及ぶ蔵書の管理を手作業で実施、それぞれの書籍のバーコードを読み取る必要があったため時間と労力がかかっていた。べんけーくんは、搭載された画像解析AIが書籍の背表紙をすばやく正確に読み取るから、新たに書籍にICタグを取り付けることなく、効率的に蔵書を管理できるようになったという。これまでスタッフ7人が約10日間かけて行っていた4万2000冊の蔵書点検作業を、わずか2日で完了できるのだそうだ。
また、べんけーくんは図書館内を自律的に移動し、狭い書架の間をスムーズに通行するよう設計されており、蔵書点検や棚卸し作業も迅速に行えるようになったという。