フリーランスという働き方が定着しているが、フリーランスは収入の安定性がないことも多いほか、資金調達や生活費の補填に対する不安が大きい現実がある。そうした中、人材マッチング事業を展開するクラウドワークス(東京)はGeNiE(東京)と共同で「フリーランスの資金繰りに関する実態調査」を実施した。クラウドソーシングサービス「クラウドワークス」利用者996人を対象にスクリーニング調査を行い、179人が本調査に参加。スクリーニング調査は6月6日~8月2日、本調査は8月7日~9月2日にそれぞれ行った。
それによると、現在雇用されていない人に対し、「フリーランスを続ける中で不安に感じること」を質問すると76%が「収入が不安定」であると回答。さらに、フリーランスの59%が「将来の資金に対する不安」を抱え、45%が「病気やけがで働けなくなった場合の保障がない」と感じているという。質問の結果から、フリーランスは不安定なうえに、補償も十分ではない実態が明らかになった。
毎月の収入が安定しないと、固定費である家賃や光熱費、食費をどう確保するかが日常的な課題となるが、今回の調査では66%のフリーランスが「過去にお金に困って工面をしたことがある」と回答し、その理由として「生活費の補填」(41%)、「収入を得るまでのつなぎ」(22%)を理由として挙げていた。そうした中で、5人に1人のフリーランスが金融機関の審査に落ちた経験があるとしており、フリーランスは収入の不安定さや社会的信用の不足が審査通過の障壁となっている可能性が示唆される。
今後、お金を工面する必要が生じた場合、フリーランス専用のカードローンがあれば使いたいかという質問に対しては、「積極的に利用したい」(10%)、「選択肢の一つとして検討する」(62%)という結果になった。