山に囲まれた地域、雪が降る季節は住む人にとっては大変なことも多いけれど、南にはない文化や伝統も生まれ受け継がれている。岐阜県飛騨市では、2025年1月15日(水)に伝統の「三寺まいり」が開催される。飛騨古川では「嫁を見立ての三寺まいり」とうたわれており、縁結びの行事でもある。
浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の御遺徳をしのんで、毎年、その命日の前日にあたる1月15日に町内の3つの寺院、円光寺・真宗寺・本光寺を詣でる伝統ある習わし。明治・大正時代には、飛騨から野麦峠をこえて信州へ糸引きの出稼ぎに行った女性たちも飛騨へ帰省し、この日は着飾って巡拝。男女の出会いが生まれたことから縁結びの行事としても知られるようになったという。瀬戸川と白壁土蔵街に並べられる千本ろうそく、市街地の通りに並べられる2mの雪像ろうそくなどで、極寒の冬に飛騨古川の情緒ある町並みが優しい明かりで幻想的に彩られる。
まつり広場では正午から、岩魚の塩焼き、五平餅などの飛騨のグルメが堪能できる「門前市」も開かれる。