「災害は忘れた頃にやってくる」──普段から防災の備えを怠らないようにしたいところだが、その備え方に男女で決定的な違いがあることが、女性インサイト総研を有するハー・ストーリィ(東京)が実施した防災に関する最新調査で明らかになった。調査期間は1月18日~1月22日で、15歳以上の男女1353人が回答した。
まず、防災グッズとして備えているものを聞くと、男女ともに防災グッズの個数に大きな差はないものの、選ぶアイテムには顕著な違いが現れた。男性は「非常用電源」「ラジオ」「工具セット」など、実用的・作業重視のアイテムを優先する一方、女性は「簡易トイレ」「調理器具」「快適に過ごせる日用品」など、日常に近い環境を維持するアイテムを重視する傾向が読み取れる。
また、非常食や防災グッズを用意する時に意識することも、男性が「持ち運びやすい」「最新技術を搭載」「機能性・耐久性が高い」など機能性を求めるのに対し、女性は「長期保存が可能」「日常生活でも使える」「家族構成に合っている」など、気持ちの安心を重視するようだ。
フェーズフリー(普段の生活で便利に活用でき、災害時にも役立つ商品・サービス・アイデアのこと)について知っているかという質問に対し、知っている人は全体ではおよそ2割。男女別では、「フェーズフリー」という言葉自体の認知度は男性の方が32.9%(女性は18%)とやや高いものの、前項の質問で「日常の生活でも使える防災グッズ」と回答した割合は女性が多いことから、実際には女性の方が日常生活と防災を両立させた備えを行っているのかもしれない。
一方、企業も日常の生活に提供している商品が災害時にも役立つとし、情報を発信しているケースがある。化学メーカーのクレハ(東京)は、具体的な使用例をあげて紹介している。同社のキチントさんフライパン用ホイルシートが、災害時の水が貴重な状況下で料理をする際、フライパンに敷いて使えば、料理が終わった後はホイルを捨てるだけなのでフライパンが汚れない。
食用品ラップの「NEWクレラップ」は用途多様で、①食器に敷いて節水対策。②おにぎりを握る時にごはんに直接触れないから衛生的。③くしゅっと丸めてスポンジ代わりに。④においが気になるものを廃棄する際に包むことができる。
キチントさんマチ付きフリーザーバッグは、①水に濡らしたくない着替えや食器、薬やマスク、小物などの収納。②お菓子や非常食を乾燥や湿気から守る。
ラップ、ホイルシート、フリーザーバッグなら、それほどかさばるわけでないので非常用袋に入れておけば、いざというときに何かと役に立つアイテムだ。同社の「災害時に!あると助かる家庭用品」というホームページで詳しく紹介している。
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