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半田赤レンガ建物がリニューアルオープン 知多半島の食文化を五感で楽しむ「ハントーフードハント展」開催

 1898(明治31)年からカブトビールの製造工場として稼働していた「半田赤レンガ建物」(NPO 法人半田市観光協会・半田市)が、知多半島の観光ランドマークとして一般公開されるようになってから10年。半田市観光協会運営のもと、新しく生まれ変わる。これまで共用サロンとして使用していた場所をギャラリースペースとして改装。カフェメニューも企画展示と連動するようになる。

 リニューアル第1弾となる企画展「ハントーフードハント – さぁ、うまいの、ワクワクへ。」が、4月25日(金)~7月13日(日)の10時~18時(最終入場 17時30分)に建物内ギャラリースペースで開催される。入場料は500 円(中学生以下無料)。知多半島で受け継がれてきた食文化と、その背景にある風土や歴史にスポットを当て、発酵食品や伝統食材を中心に、さまざまな食のストーリーを、「見る・聞く・嗅ぐ・触る・味わう」の五感で楽しむ展示だ。プロデュースは「つけたろう」さん。

 “見て”楽しむのは、ギャラリー室全体を覆う「空中ウナギ」。知多半島の竹林から間伐してきた8~9メートルの竹260本ほどを割いた約2000本を使用して作った、ウナギがモチーフのモニュメントだ。展示後は、炭にして活用する予定。迫力の空中展示は階段を登って上からのぞき込むと、シラスのイラストプレートのなかに紛れたカニやエビを発見する楽しみもある。

 “聞いて”楽しむのは、「カコン・・・」「シャパシャパシャパ・・・」といった、たまりしょうゆが作られる際の音。醸造元の「中定(なかさだ)商店」でプロの音楽家が収音した。木おけの底にたまった液体(たまり)をひしゃくですくいあげ、繰り返しおけの上からかけ戻すことでうまみとコクが深まっていく工程が、まるで目の前で繰り広げられているかのように感じることができる。

 触って楽しむのは、「スタンプラリー」と「ミニ手ぬぐいワークショップ」。スタンプで自分だけのオリジナルミニ手ぬぐいを作れるワークショップが、子どもから大人まで予約なしで楽しめる。対象年齢は2歳から。体験料は900円。

 “嗅ぐ”のは大将の白衣。愛知県には「豆みそ」「たまり」「しろしょうゆ」という3つの独自の発酵食文化があるが、中でも「たまり」のコクのあるしょうゆをタレに使った「うな重」はこの地域ならではのもの。高度な焼きの技術が必要となる、うな重の香りを届けるべく、うな重の香りが染みついた大将の白衣を会場に展示する。

 “味わう”のは、企画展開催の赤レンガ建物内にあるカフェで、企画展と連動して提供する期間限定メニュー。今回は、知多半島の郷土寿司「箱すし」を現代風に進化させたハントーフード箱すしから「知多牛のしぐれ煮としらすの箱すし」を提供する。かつては知多半島のどの家庭でも作っていた「箱すし」の食文化を体験しよう。