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大注目jo0ji 漁港で働く、歌を届ける 創作のルーツは? 【山崎あみ コラム音楽の森】

 鳥取の漁港で働きながらアーティストでもあるjo0ji(ジョージ)さん、25歳。4年前、友人のために制作した楽曲をYouTubeに公開して活動をスタートさせました。その曲「不屈に花」を聴いた時、私は衝撃を受けました。世間に見つかったらもう止められない、令和の音楽シーンを牽引(けんいん)する存在になるのでは・・・。実際、音楽配信Spotifyが、2024年に躍進を期待する次世代アーティストの1人に選び、今年1月にはテレビ番組「EIGHT―JAM」の「プロが選ぶ年間マイベスト10曲」で、彼の楽曲「眼差し」を音楽プロデューサー蔦谷好位置(つたや・こういち)さんが10位に、いしわたり淳治さんが1位に挙げ、さらに「日経エンタテインメント!」は「2025年の新主役100人」に選出しています。

鳥取の漁港で働きながらアーティストでもあるjo0ji(ジョージ)さん

 jo0jiさんに引き寄せられる理由の一つは、表現のスケールの壮大さ。取り繕わず、ありのまま自然と一体化しているよう。いわば〝令和の中島みゆき〟です。歌詞は誰かに寄り添い、聴く人の背中に手を当て語るように歌っていて、優しさがしみわたります。フォークや洋楽などの要素が混ざりあい、ラップ調からダークな曲まで、毎回色が異なるのも魅力。ミュージックビデオ(MV)はアーティスティックで、顔立ちはクール、かわいさ、色気が同居しています。私は彼の曲を頻繁に聴いてきて、後から同じ事務所の所属だと知りました(笑)。せっかくですので今回マネジャーさん経由であれこれ伺うと・・・。  影響を受けたアーティストは、子どもの頃から、漁師である父親がレコードで流していた吉田拓郎さん、中島みゆきさん、忌野清志郎さん、柳ジョージさんら。小学2年のころ、母親が昔使っていたピアノを弾き始め、近所の知人にピアノを習いながら、久石譲さんの「Summer」やボカロ曲「千本桜」をカバーしていたそうです。映画観賞が創作のヒントになることがあり、好きな映画は「グーニーズ」「インターステラー」「aftersun アフターサン」。家が海辺にあり、気分転換がてら近所を散歩するのが好き。東京へ行くと驚くのが人の多さで「渋谷駅に行くといつも怖いなと思う」。

 自身のYouTubeでは各MVの概要欄に、どんな思いからその曲を作ったかを丁寧につづっています。例えば新曲「謳(うた)う」は友人の出産がきっかけ。ぜひチェックしてみてください。jo0jiさんはこう語っています。「生きているといろんなことが起きると思うんですけど、聴けば『でも、大丈夫かも』となるような曲を作りたいです」

【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No. 16からの転載】

山崎あみ(やまざき・あみ)/ 1997年生まれ、東京都出身。音楽大卒。モデル。
interfm(東京)「MUSIClock+」(金曜午前7時)およびJFN制作FM番組「みゅ~じっくろっく」DJ。YouTube番組「山崎あみ『うるおう』リコメンド」(略称うるりこ。共同通信社制作)出演。