カルチャー

至福のひとときを魅力的に演出した逸品たち 美術館で日本のカップ&ソーサー展

 コーヒーや紅茶でほっと一息。のどを潤しカフェインの覚醒作用を求める時間の楽しみに、カップやソーサーを眺める喜びも加われば至福だ。自宅ではマグカップでも、目の保養ができる企画展「至福のひととき カップ&ソーサー展」が、名古屋市の横山美術館(東区葵1-1-21)で4月29日(火・祝)~8月31日(日)まで開かれる。特別なのは、日本製の器ばかりを集めた点だ。

 エキゾチックな異文化のイメージをまとって広まったコーヒーや飲み物としてのチョコレート。煎茶碗と小皿の組み合わせから出発したカップ&ソーサーにハンドルが付けられ、西洋化していった器たちは、サロンや食卓を華やかに彩り、コーヒー・ハウスやティー・ガーデンは社交の場としても機能した。普及に伴ってコーヒーや紅茶を用いた占いや茶菓子などが発展し、アフタヌーンティーに代表される新たな習慣も生んできた。

 明治時代以降、数多くのカップ&ソーサーが日本から輸出された。企画展では、香り高い至福のひとときを魅力的に演出したオールドノリタケをはじめ、京都や有田、九谷など、明治時代以降に各産地で数多く生産・輸出され、社交の場を華やかに彩った珠玉の日本製カップ&ソーサー約190点を紹介する。

 開館時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。休館日は毎週月曜日(祝・休日の場合開館、翌平日休館)、夏期(8月12日~8月18日)。入館料は一般1000円、高・大学生・シニア65歳以上800円、中学生600円、小学生以下無料。障がい者手帳所有者は700円。