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栄養不良を吹き飛ばせ! フルーツの活用で健康な食事をゼスプリが万博でイベント

フルーツを活用した栄養不良の解決策を考えるトークセッションが大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンで行われた

 日本の成人の3人に1人は、栄養不良※1――。長寿や健康に良い伝統食が世界的にもてはやされる日本だが、多忙な生活や個食の増加、食品価格の上昇などで栄養バランスが崩れ、隠れ栄養失調やカロリー過多に陥る人は多いという。そのような驚くべき実態を知ることができ、解決策を考えるトークセッションが8月5日、大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンで行われた。

 一般財団法人日本栄養実践科学戦略機構(以下NUPS)が主催したトークセッションに協賛したのは、ニュージーランド産を中心とするキウイフルーツの輸入・販売などを手がけるゼスプリ インターナショナル ジャパン(東京、安斉一朗社長)。日本人の食に関する課題に着目し、日本の栄養不良の解決を目指す「ゼスプリ栄養改革プロジェクト」を展開している。

トークセッションでは、「日本の成人に3人が1人が栄養不良」という驚くべき実態が示された

 「3人に1人が栄養不良だと知っている方、いらっしゃいますか?」。会場に集まった人のうち、MCの問いかけに挙手したのはわずか。多くの人が栄養不良といって思い起こすのは、食べ物が圧倒的に不足する貧困国や紛争地の光景だろうか。日本で、というのは、想定外のようだ。

 栄養不良には、栄養の摂取量が足りない「低栄養」と、とりすぎている「過栄養」がある。トークセッションに登壇したNUPSの中村丁次・理事長は、「日本でも、若い女性や高齢者の『やせ』の問題と、中高年層のメタボ問題が共存している」と指摘。やせか肥満かを判定する体格指数(BMI)でみると、日本人の39.7%がそのどちらかに当てはまり、健康的な標準体格は6割程度にとどまるのだという。

 若い女性の「やせ」は自身の貧血といった健康障害だけでなく、出産した子どもにもリスクが及ぶ。母親の胎内で栄養が届かないと、飢餓に対応した遺伝子がつくられ、肥満や糖尿病リスクが上昇する。中村氏によると、日本では若い女性の「やせていることがよい」という意識が、他の先進国と比べて強い。

 一方、高齢者のやせは、介護が必要なフレイル(虚弱)状態に陥る恐れが強まる。中村氏は「栄養不良は健康を脅かす最大のリスク」とし、栄養バランスのとれた食事の重要性を強調した。

ゼスプリ インターナショナル ジャパンはNUPSの後援を受け、「ゼスプリ栄養改革プロジェクト」を推進している

 NUPSの後援を受け、「ゼスプリ栄養改革プロジェクト」を推進するゼスプリ インターナショナル ジャパンの猪股可奈子APACマーケティング本部長は、同社が昨年、1万人を対象に行った意識調査の結果を公表。回答者の9割以上が「栄養バランスのとれた食事をとりたい」とするものの、「毎日、バランスのとれた食事がとれている」のは2割に過ぎなかった。バランスのとれた食事ができない背景には、「忙しさ」「個食」「食品価格の高騰」「栄養についての知識不足」などがある。

果物は、総合的に栄養素をバランスよく摂取できる便利で優れた存在だ

 また、別の調査では、キウイなどの果物が栄養バランスをとるために良いと考える人は2割。フランスやドイツでは7割近くに達するのに対し、大幅に低かった。実際、日本人の果物の平均摂取量は1日あたり90グラム(2023年調査)に過ぎず、厚生労働省が定める目標値の200グラムを大幅に下回る。

 「生活が豊かになり、さまざまな情報に囲まれて生きるなか、自分たちの心と体の健康は一番優先されていいはず」と猪股氏。自らも3人の子どもがいる立場から、仕事や家事で忙しく何品も料理を作ることが大変な時に、調理なしで簡単にビタミンやミネラル、食物繊維などがとれる果物をもっと活用してはどうかと提案した。

 厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準」で示される栄養素は40種類ほどあり、これらすべての栄養素をバランスよくとることが理想だが、果物を食べれば非常に効率がいい。特にキウイには、ビタミンC、食物繊維、カリウム、葉酸など10種の栄養素が含まれ、「総合的に栄養素をバランスよく摂取できる果物。いろいろな栄養素をとらなくてはいけない私たちにとって、便利で優れた存在」(中村氏)なのだ。

 キウイは、主要なフルーツの「栄養素充足率」(同じ量=100グラム=を食べたときにビタミンなど17種の栄養素が基準値に対してどれくらい含まれているかを数値化したもの)で、堂々のトップ。ゼスプリによると、果肉が黄色の「サンゴールドキウイ」は15.7、緑の「グリーンキウイ」は12.3で、イチゴの9.2、バナナの8.0、レモンの5.1などを大きく上回る。

専門家によるトークセッションに続き行われたクイズ大会には、ゼスプリのキャラクターである「キウイブラザーズ」も登場した

 トークセッションの後は、ゼスプリのキャラクター「キウイブラザーズ」が登場し、キウイに関するクイズ大会も行われた。来場者は、サンゴールドキウイ1個がレモン約7個分のビタミンCを含むことなどを知り、びっくり。新鮮なキウイのプレゼントもあり、家族連れらが嬉しそうに受け取っていた。

 ゼスプリは、キウイを活用した「ゼスプリ栄養改革プロジェクト」を全国で展開し、日本の栄養不良の改善を目指す。2030年までにキウイ60億食分を通して健康的な食事の機会をつくる、多彩な栄養改革アクションを行うという。今年は、管理栄養士や栄養士を通じた食事栄養指導、子どもたちの食育や、フルーツを使って楽に栄養バランスの取れたお弁当づくりをしてほしいとの想いからキウイを入れたお弁当づくりの提案なども行っている。

「ゼスプリ栄養改革プロジェクト」では、キウイを入れたお弁当づくりの提案なども行っている

*1 厚生労働省「健康日本21(第三次)」の「栄養・食生活に関連する目標」における「BMI 18.5以上25未満(20歳以上64歳まで)およびBMI 20を超え25未満(65歳以上)の者の割合」の「現状値 60.3%」をもとに算出(https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kaigi/attach/pdf/230906-17.pdf)