カルチャー

夏休みは大阪・関西万博へ 子どもの特別な思い出作りのための4つのヒント

 この夏、子どもたちの思い出づくりにぴったりな万博。どう過ごせばより特別な体験になるのか。8歳の時に神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア’81)で得た感動を原点に、国内外の博覧会を160回以上訪問している万博マニアの二神敦(ふたかみ・あつし)さんにヒントを聞いた。

結晶デバイスを持ってココロの旅をする「ノモの国」。モノづくり企業のパナソニックグループが手掛ける体験型施設で、“ノモ”は“モノ”を逆にした名前。アクセサリーを持って進む仕掛けは子どもの記憶に強く残る

■「楽しい」が「学び」につながるパビリオン

 「勉強しに来たわけじゃないけど、楽しい体験が結果的にエネルギーや環境の理解につながった」となるのが、万博の面白いところ。入り口はあくまでゲームや遊びでも、振り返ったときに自然と学びに結びつく仕掛けが各所にある。その仕組みが特に充実しているのが日本企業のパビリオンだ。

 例えば「ガスパビリオン おばけワンダーランド」では、XR(クロスリアリティ)ゴーグルを装着して、かわいいおばけに変身する体験から始まる。遊び終えた後は、未来の都市ガス「e-メタン」やカーボンニュートラル化への取り組みについて自然に学べる流れだ。「ブルーオーシャンドーム」では、超撥水加工の盤面を転がる水滴が、滝・川・海へと変わるインスタレーションに目を奪われる。その美しさに後ろ髪引かれつつ次のエリアへ進むと、美しい海や生命体がプラスチックゴミに飲み込まれていく地球の痛ましい映像に心がざわつく。海洋環境問題を「心で感じる」仕掛けだ。

「ガスパビリオン おばけワンダーランド」。現実の世界、AR(拡張現実)の世界、VR(仮想現実)の世界のボーダレスな没入体験が魅力。7歳未満もスマートデバイスを用いてAR体験が可能。展示エリアは予約なしで入場できる
日本デザインセンターの原研哉さんが展示構想とディレクションを担当した「ブルーオーシャンドーム」の水の循環のインスタレーションと直径10メートルの半球型スクリーン。立体的な超高解像度のCG映像は没入感に圧倒される
川崎重工業の四足歩行型モビリティー「CORLEO(コルレオ)」をはじめ、クボタ、カナデビア、商船三井など12の企業・団体が出展する「未来の都市」。ゲーム感覚と五感を使った仕掛けが多く、家族でワイワイ楽しめる