カルチャー

日本の宝“古来種野菜”200種を厳選 異なる見た目や味わいを写真でつづる一冊

 海外旅行先の市場などで、普段日本ではあまり見ない野菜や果物を見るのは楽しいものだが、日本にもまだまだ知らない野菜がたくさんある。いわゆる“古来種野菜”で、国内で採種された種から育成し代々受け継がれてきた野菜の数々。これらを写真でつづった『日本のうつくしい野菜』(オレンジページ、税込み1980円)が刊行された。

 著者は、300品種の古来種野菜が集まる八百屋「warmerwarmer」の髙橋一也代表。そのうつくしさに圧倒され、気づけば友人の協力のもと14年間写真を撮り続けたという氏のコレクションの中から、生命力みなぎる約200種の古来種野菜を、それぞれの物語とともに紹介。日本で生まれて育った野菜たちの、古くて新しい魅力に出合える。

 古来種野菜は、大根だけでも約110品種以上あるというが、市場流通はわずか1%。スーパーなどでふだん目にする野菜のほとんどは、海外採種の種から育ったものだという。見た目も味わいも異なる野趣あふれる“古来種野菜”を、その野菜が生まれた物語や産地、おすすめの調理法とともに紹介。中には、今存在していることすら奇跡のような絶滅危惧種も。また、縄文時代から振り返る日本の野菜の歴史についての読みものも必読に値する。