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ご当地「そずり鍋」に「牛餅丼」、カキも旬 岡山グルメを味わい美作三湯で温まる旅

 冬ならではの旅の魅力といえば、雪景色に鍋料理や温泉、あったかご当地グルメなど。岡山県は、温泉やご当地鍋、冬に旬を迎えるフルーツなど、地域を楽しめるさまざまな情報を発信している。

 まずは冬の岡山ご当地グルメ、津山市の郷土料理「そずり鍋」。「そずり」は津山の方言で「削る」の意味で、牛の骨からそぎ落とした肉を使うことからこの名前が付けられた現在では、さまざまな部位を削ぎ切りした肉を混ぜているという。そずり肉をあっさりしょう油ベースのだし汁に入れ、ごぼうやニラ、豆腐などと一緒に煮込む、後口のさっぱりとしたヘルシーな鍋。かつて津山市で肉食が禁じられていた時代に、滋養強壮を目的に牛肉を食べることが特例として認められていたという。今も“肉のまち”として多くの牛肉料理店がある。

 “肉のまち”でもう一つ食べたいのが「牛餅丼」。ご飯の代わりにお餅を入れた“牛丼”で、なめらかな餅に、少し甘いつゆがかかった牛丼の具が入っている。​新庄村特産の「ひめのもち」のおいしさを存分に味わえる一品。

 もう一つの冬の味覚がカキ。栄養塩を取り込んだ植物プランクトンが豊富で穏やかな岡山の海域では、一般的にはカキ筏(いかだ)につるしてから2~3年かけて成長するカキが、1年で出荷できるサイズに育つ。岡山のカキは1~3月ごろがベストシーズンだという。

 冬のフルーツ「晴苺(はれいちご)」もはずせない。味が濃く、甘さと程よい酸味、そして果肉まで赤いのが特徴。冬から春にかけて、県内の多くの農園でいちご狩りを体験できる。

 そして全身温まるなら、岡山県北エリアの「美作三湯」。湯原ダムの下流にあり、旭川沿いに広がる湯原温泉は、古くは豊臣秀吉の時代から湯治の地として知られ、湯量が多く、神経痛や冷え性にも効果があるという。そのシンボルは、全国の温泉のうちわずか1%しかないとされる川底から湧き出る源泉100%の大露天風呂「砂湯」。24時間無料で入浴でき、ダムや川が間近に迫る絶景の中の温泉を楽しめる。ほかにも奥津温泉や湯郷(ゆのごう)温泉など、温まれる場所には事欠かない。