「コナミスポーツクラブ ダンシングスターズコンテスト 2025」決勝大会が11日、RaiBoC Hall(さいたま市民会館おおみや)で開催された。
全国のコナミスポーツクラブのダンススクールに所属する子どもたちが参加するこの大会。予選参加者約2000人から勝ち抜いた73組が集結した。
会場内は熱気でいっぱい。壇上では最小で2人、最大で18人の参加チームが、思い思いに選曲した楽曲に合わせ、元気にパフォーマンスを見せた。体の柔らかさをアピールしたり、息を合わせて全員の動きがそろったフォーメーションを展開したりと、体いっぱいに表現した。
表彰式では、審査員が口々に順位をつけることの難しさを語る中、一生懸命さもあいまって悔し涙やうれし涙が交錯。会場からは大きな拍手が送られた。
熱かったのは壇上だけではなかった。客席には多くの選手の家族が詰めかけ、子どもたちに大きな声援を送り、楽曲に合いの手を入れるなどして盛り上げた。中にはアイドルさながらに手作りのうちわを持参する応援団も。親子ともにダンスにかける情熱を感じさせた一日だった。
各部門の優勝チームは以下の通り。
■チャレンジ部門(初級クラス)「ピヨピヨ☆チャンネル」(神奈川県・コナミスポーツクラブ 橋本)
「スクール以外でも、いろいろな場所で練習しました。表情とか、細かいところに気をつけて踊りました。保護者の方が、衣装を作ったりうちわのような応援グッズを作ったりしてくれたことに感謝したいです。もっとレベルを上げてもう一回全国大会で1位を取りたいです」(ピヨピヨ☆チャンネル・小笠原維吹さん)

■ドリーム部門(中級クラス)「Funky I‘s」(東京都・コナミスポーツクラブ 稲城)
「毎回とても緊張するのですが、なぜか今日はあまりしなくて、楽しさが勝ったコンテストでした。チームの中では文句を言うのではなく、プラスな言葉をかけることを意識しました。去年優勝したプレッシャーと、今回の予選が2位だったことの悔しさがあったので、それを逆にプラスに変えてやってやろうという気持ちでした。私自身はダンスをまだ続けるつもりですが、このチームで踊るのは学年的に今年が最後だったので、チームにはこれからも良い成績を残してほしいなって思います」(Funky I‘s・脇本かれんさん)

■シャイニー部門(上級クラス)「リア」(大阪府・コナミスポーツクラブ 茨木)
「メンバーの意見がすれ違うこともあって、ここまで何回も話し合いをしてきました。通常のレッスンで心掛けたのは基礎をしっかり、ということ。最初から審査員の心をつかみにいくことを意識して構成したダンスなので、1位になれてすごくうれしいです」(リア・安里双葉さん)

▼ダンスは「見てもらう」ことで成長
教えるだけではなくて発表の場をしっかりと
この大会を運営する背景について、コナミスポーツの上柿仁司執行役員と木村高樹統括マネージャーに話を聞いた。
——今年の大会も熱いダンスが披露されていますね。
木村 どんどんレベルアップしていますね。部門ごとに学年で区切られているので、毎年チームを卒業するお子さまもいるのですが、チームとしては年を追うごとに上達しています。毎年拝見するのが楽しみです。保護者の皆さまも、ダンスの衣装を先生と一緒に作り上げたりと、すごく一生懸命ですね。

——どんな思いで「ダンシングスターズコンテスト」を実施されていますか?
上柿 私どもの事業自体が、地域の方々の健康や、お子さまの発育、発達にいかに貢献するかというようなところから始まっています。コナミスポーツといえば水泳、体操の印象が強いと思いますが、お子さまの表現、成長にしっかりつながるようなものを提供できればということでダンススクールが始まりました。その後、学校の学習指導要領でダンスが必修になったことも追い風になりました。
例えば水泳だとタイムが早くなったり、体操だと技ができるようになったりということで成長を実感できます。そういう意味ではダンスは、そもそも見ていただくための種目ですので、発表会、コンテストをしっかり運営したい。スクールで教えるだけではなくて、発表の場もセットで運営したいということで、今回のようなコンテストや、社内で「ダンスダンスフェスティバル」という発表会を続けています。
実際にお子さまに習っていただくと、いわゆる成果、自分たちがうまくなったとか、できないことができるようになったとか、実感が積み上がることによって、さらに上達意欲が湧きます。保護者の方々にとっても、成長を実際に見ていただけることによって、さらに応援していただける。応援していただけるとお子さま自身が成果を感じられるという、いい循環が生まれます。
——「ダンシングスターズコンテスト」が今のような全国大会の形になって、今年で9年目だそうですね。
木村 当初は地域ごとに開催して完結していましたが、全国区で開催したいという思いがありました。それで各地域の大会を予選会にして、決勝を一カ所に集まってやろうと、そういった大会がスタートしたのが2014年からです。9年続いたのは、コロナ禍を乗り越えられたことが大きかったです。
上柿 全国に広げたことで、地域を超えた交流が生まれました。例えば関東の指導者の方が関西まで視察に行ったり質問をしたりするようになりました。ダンスは表現する競技ですから、審査についても見て感じる部分が非常に多い。地域を広げていけばいろいろな方の表現方法などを知る機会も広がりますので、活性化できたと思います。
発表の場は、弊社が開催するコンテストや発表会ともう一つ、各地域の、例えばお祭りとか、ショッピングモールのイベントなどで披露する機会も作っています。こちらからお声掛けさせていただくと、ショッピングモールの方にもとても喜んでいただけますが、そういう場を買い物に来られた地域の方々にも見ていただく。お子さまからすると見られる場になるわけで、ダンスの表現が伝わったか伝わらなかったかという経験が積み上がる。そうするとまた次のレベルに上がれるというような、良いサイクルが生まれます。
——ダンススクールについて、今後どのような展望をお持ちですか?
上柿 二つのことを考えていまして、一つは当社ダンススクールの選抜チーム「KONAMI J.B.STAR」が活躍していくことです。
木村 「KONAMI J.B.STAR」は当社のダンススクールのメンバーから選ばれた、トップカテゴリーの選手たちによるチームです。年1回、オーディションをして選出します。海外の大会でも活躍していて、世界大会「WORLD HIP HOP DANCE CHAMPIONSHIP」には日本代表チームとして2009年から16大会連続で出場しています。今年も出場し、2年連続の2位でした。彼ら彼女らは、私たちの誇りでもあります。
KONAMI J.B.STARがいろいろなイベントに参加させてもらうなど外部への活動を広げていくことで、彼らも、この大会も、もっとメジャーになると思っています。
上柿 そんなKOANMI J.B.STARの活躍を、ダンスを習っているお子さまに広く見ていただける機会を作ることで、いろいろな影響を及ぼす存在になってもらえたらと思っていることが一つ。
もう一つは、一つ一つのコンテスト、発表会のクオリティーをしっかり上げていくことです。それぞれの施設での指導者、そしてお子さまのレベルアップにもつながって、地域での評判になって、あそこでダンス習いたいね、ということにつながると思っています。
木村 当社のダンススクールの内容も整えています。カリキュラムを設けて、初心者からトップレベルの方まで体系立てたレッスンをしますし、最近ではアクティブラーニングという、実際に踊っている姿を講師にアドバイスをもらった後から見て学ぶデジタルツールの導入を始めています。お子さまの習い事は多様化していますが、その選択肢の一つになれるよう、しっかりアピールしたいです。
上柿 ダンスというのは表現力にしても、自分の周りと合わせる、調和する力にしても、客観的に自分を見つめる機会がたくさんあります。他の習い事ではなかなかありません。ダンスによって培われた力は社会に出るといろいろなことにつながりますし、強みになる。そういう意味ではお子さまにぜひ習っていただきたいと思っています。
今日の大会でも、ダンスという表現の中でメンバーが気持ちをしっかり出しているチームがたくさんありました。お子さまが気持ちを表現するのは、非常に難しいこと。そのレベルまで持っていけるのはコーチと施設スタッフ、そして保護者の方のおかげだと思います。そういう機会を当社も提供できているのかなと思いますし、保護者の方にも間違いなく感じていただいているのではないか。ダンスの魅力を、さらに多くの方に感じてもらえればと思います。