カルチャー

世界の名車約200台を掲載した『クラシックカー大全』 20世紀を彩る歴史的モデルで目の保養

 「今までこれほど詳しく、幅広くクラシックカーを扱った本はないんじゃないかな」とのメッセージを寄せるのは、元レーシングドライバーの鈴木亜久里さん。1900年代初頭から1980年代末までの名車を図鑑形式で幅広く掲載したビジュアルブック『クラシックカー大全』(小國麻実著、河出書房新社、税込み4620円)が発売された。

 300台以上のクラシックカーを取り扱ってきた著者が、多くの自動車メーカーや全国各地のクラシックカーミュージアムの協力のもと、クラシックカーの魅力と奥深い世界をまとめた一冊だ。黎明(れいめい)期の試行錯誤に満ちたモデルから、戦後復興期に生まれた実用車、そしてモータリゼーションの拡大期を彩った名車まで、時代ごとのデザイン潮流や技術革新、社会背景を踏まえながら解説している。また、欧米の名門メーカーだけでなく、日本のメーカーも紹介し、日本車も多数掲載。日本の自動車史を語る象徴的な名車をたどることもできる。

 名車解説のページ(第3章)では、美しくダイナミックな数々の名車の写真を中心に据えながら、単なるスペックやデザインの解説だけでなく、その車が生まれた背景や、当時の社会や文化との関わりについても触れている。

 鈴木亜久里さんは、「これを見ればクラシックカーの歴史やメジャーな車を知ることができると思う。自分が若い時に興味を持った車の情報もあって、懐かしい気持ちになったし、その時の車に対する気持ちがよみがえってきて、古い車の魅力を改めて認識させられた」とコメントしている。