韓国のノーベル文学賞作家、ハン・ガン氏の受賞後初の作品『光と糸』(河出書房新社、税込み2200円)が発売された。文学賞受賞記念講演「光と糸」全文、創作についてのエッセー、5編の詩、光を求めて枝葉を伸ばす植物をめぐる庭の日記、そして自身による写真を著者自らが編んでいる。全国の200軒以上の書店で「日本語で読めるすべてのハン・ガンフェア」も12月下旬から順次開催される。
アジア人女性として初めてノーベル文学賞受賞者となったハン・ガン氏は、この作品の中で、「世界はなぜこれほど暴力的で、苦痛に満ちている? と同時に、世界はなぜこれほど美しいのか? この二つの問いの間の緊張と内なる闘いが私の書き仕事を推し進める動力だと、長い間信じてきた」と書き、「最初の小説も最新の小説も、もしかしたら私のすべての問いの最も深いところにある層は、常に愛に向かっていたのではなかったか? それが私の人生のいちばん古い、根源的な基調音だったのではないか?」と自問している。
また、1月7日(水)発売の「文藝 2026年春季号」では、特集「ハン・ガンを読む――傷と庭を抱いて」を掲載。ハン・ガン作品の日本語版翻訳者全員が集まった座談会、さまざまなジャンルで注目のクリエーター陣による読書会など、読みごたえのある内容になっている。










