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蜂蜜の新成分発見から新商品開発へ 山田養蜂場、研究開始から16年目で「のど潤す蜂蜜」発売

研究から16年で商品化した「メルピロール測定済 のど潤す蜂蜜」の発表会に駆けつけた真鍋かをりさん(中央右)と石原新菜 イシハラクリニック副院長(同左)。右端は山田養蜂場の大野正晴事業部長。左端は同社研究開発本部・松崎英典室長=4月22日、東京都港区

 身近な食品の「蜂蜜」は「健康にいいのでは」ということが広く知られているが、科学的な根拠を知る人は少ないだろう。ミツバチ製品の開発・販売を手がける山田養蜂場(岡山県鏡野町)は、蜂蜜研究を通じて、これまで知られていなかった新規化合物を発見。このほど研究開始から16年目で商品化に成功したとして4月22日、東京都内で新商品発表会を開催した。

 新商品は「メルピロール測定済 のど潤す蜂蜜」。山田養蜂場は、蜂蜜の効能について科学的に解明しようと2010年、大学や研究機関との共同研究を始めた。その中で「メルピロール」と「フラジン」という化合物が蜂蜜の健康効果に重要な役割があることを突き止めたという。特にメルピロールは、これまで知られていなかった新規化合物で、成分名は山田養蜂場が命名した。

 発売した「メルピロール測定済 のど潤す蜂蜜」は、メルピロールを含有しているかを確認した蜂蜜商品。同社によると、すべての蜂蜜にメルピロールが含まれるわけではないといい、独自に同社の測定技術で含有を確認したものを商品化したという。商品はスティックタイプで7グラム8包入りが1600円。30包入りが5500円。

 発表会にはタレントの真鍋かをりさんとイシハラクリニックの石原新菜副院長が登場した。真鍋さんは「蜂蜜は何となく良さそうとは思っていたけど、今後はメルピロール入りで選びたい」と話し、石原さんは「蜂蜜は発酵食品と同じ自然由来なので体調崩したときに取り入れた方がいい」と薦めた。

「他の人にも蜂蜜はいいらしいよとしか言えなかったが、根拠を持って薦められる」と話す真鍋かをりさん

▽論文や学術発表も

 発表会で、山田養蜂場研究開発本部の松崎英典室長が研究の経緯について説明した。松崎さんによると、蜂蜜は古代から医薬品として利用されてきた歴史があり、世界的に健康食品として研究が進められてきた。せき止めにも効果があるとされてきたが「どんな成分が効いているかという研究はゼロだった」と話した。

「蜂蜜が健康にいいというのは世界共通だったが、どんな成分が効いているかはわからなかった」と話す松崎英典さん

 研究開始から10年でメルピロールとフラジンという成分が、せき止め効果があることが分かり、2023年に論文として発表。25年9月にはデンマークで開催した国際養蜂会議で学術発表し、注目された。山田養蜂場は「これからは、蜂蜜は“成分で選ぶ”という新たな価値を提案したい」とアピールしている。