「オスとメス」という人間から見た一般的な常識は、生きもの全体の世界では必ずしも当てはまらない――。成長の途中で性が変わる魚や、周囲の環境によって性別が決まる生きもの、さらにはオスとメスの両方の特徴を持つ個体など、驚くほど多様な“性”の在り方を科学的に紹介する特別展「生きものたちの性」が、10月31日(土)から1017年2月21日(日)まで、東京・上野の国立科学博物館で開催される。同館が「性」をテーマにした特別展を開催するのは初めて。
同展では、「性のすがた」「性の形と行動」「性の決定・分化」「性と子育て」「オスとメスだけでは語れない性の多様性」の5章構成で、生きものが子孫を残すために進化させてきた多彩な戦略を紹介する。ライオンやニホンジカの雌雄の違いを比較できる剥製や、植物にも存在する性の仕組み、求愛のために華麗なダンスや歌を披露する鳥、生殖器や交尾行動の多様性などを標本や映像、音声を交えて解説。オス同士で“キス”をするような行動で知られるキッシンググラミーや、交尾するヒタチマイマイなど、ユニークな生態も紹介する。
見どころの一つが、“性の決まり方”を取り上げる展示。性は染色体だけで決まるわけではなく、温度や周囲の個体との関係によって性別が決まる種や、生涯の途中で性転換する種も存在する。また、体の左右で雌雄の特徴を併せ持つ「ギナンドロモルフ」の標本なども展示され、生物学の最新知見に触れることができる。
さらに、子育てにも多様な戦略があることを紹介。親が協力して子を育てる種、一方の親だけが世話をする種、さらには他の生きものに子育てを託す種など、生き残りをかけた進化の工夫を学ぶことができる。最後の章では、オスとメスを必要としない無性生殖など、「性」の概念そのものを広げる多様な繁殖方法も取り上げる。
総合監修を務める国立科学博物館植物研究部の堤千絵研究主幹は、「生きものの数だけ、性の在り方や性にまつわるストーリーがあります。そんな奥深い生きものたちの性の世界を紹介していきます」とコメントしている。
7月20日(月・祝)10時に、11月の平日限定で利用できる「超早割チケット」をチケットぴあ限定で発売する。一般・大学生向けは、通常の前売券より600円お得な1500円。数量限定で、予定枚数に達し次第、販売を終了する。なお、今回の展示は「生きものの性」をテーマとしているため、一部に性的な表現が含まれることもあらかじめ案内している。








