ふむふむ

東京圏人口が初の「全国3割超え」 都心集中が進む一方で郊外は縮小傾向 2025年国勢調査速報値を読み解く

 2025年国勢調査の速報値から、東京圏への人口集中が新たな局面を迎えていることが分かった。東京都と沖縄県を除く45道府県で人口が減少する中、東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)は総人口の30.1%を占め、初めて3割を突破した。一方で、増加をけん引したのは東京都のみで、周辺3県では減少が進むなど、都市内部での「濃淡」がより鮮明になっている。 分析を行ったのは、「グローバル都市不動産研究所」(グローバル・リンク・マネジメント、東京)。

 総務省が公表した速報値によると、2025年10月1日時点の日本の総人口は1億2305万人。2020年比で309万7千人(2.5%)減と、減少幅は過去最大級となった。人口増加は東京都(1.4%)と沖縄県(0.1%)の2都県のみで、前回調査で増加していた千葉・神奈川・埼玉・福岡・愛知・滋賀の6県も減少に転じた。

 東京圏の人口は3698万5557人で、2020年比7万1381人増(0.2%)。ただし増加数は前回(78万人増)の10分の1にとどまり、勢いは大きく鈍化した。内訳を見ると、東京都は約19万9千人増加した一方、埼玉県は約5万8千人減、千葉県は約2万6千人減、神奈川県は約4万4千人減。東京都の増加が周辺3県の減少をかろうじて上回った形だ。

 市町村別では、東京圏外縁部で10%超の減少が相次ぎ、郊外・近郊でも人口減少が広がる。周辺3県で人口が増えた市町村は、埼玉県では朝霞市やさいたま市など10市町、千葉県では流山市や印西市など12市、神奈川県では海老名市や大和市など7市町に限られ、いずれも都心近接や鉄道新線で利便性が高まった地域に集中している。

 東京都内でも二極化が進む。東京23区は995万人となり、約22万人増(2.3%)。20区で増加した一方、千代田区・渋谷区・目黒区の3区は減少に転じた。増加率トップは台東区(8.0%)、中央区(7.5%)、江東区(5.5%)など再開発が進む湾岸・都心周辺エリアだ。

 また、多摩地域では0.4%の減少。奥多摩町や檜原村で12%超の減少が目立ち、郊外では出生数より死亡数が上回る「自然減」が急速に進んでいる。

 都市政策の第一人者であるグローバル都市不動産研究所所長の市川宏雄氏は、「人口減少国家の中で東京の存在感は高まる一方、都心集中と郊外縮小の二極化が進んでいる」と指摘。マンション価格や家賃の高騰など経済要因が人口動態に影響を与え、地域ごとのタイムラグが生じていると分析している。

 東京一極集中は続くものの、その内側では構造変化が進行している。人口減少社会の中で、都市の持続可能性をどう確保するかが問われている。