「10周年だし、みんなでモルックでもやりますか!」
そんな何げない一言から始まった企画が、気づけば40人規模のモルック大会になっていました。という前回のお話の続きを、少しだけ報告させてください。
番組レギュラーで、一般社団法人ZEN代表理事であり元パラリンピアンの野島弘さんが「やるなら大会にしちゃおう!」と言ってくださったことをきっかけに、話は一気に現実に。
当日集まったのは、車いすバスケットボール、車いすテニス、車いすバドミントン、パラアルペンスキーの選手や関係者、車いすメーカーの方、大学生、中学生、小学生まで。本当にさまざまな人たちでした。お名前を出させて頂くと、パラリンピック金メダリストのパラバドミントン里見紗李奈選手や、パラアルペンスキー界のレジェンド森井大輝選手まで駆けつけてくださり、「モルックをやろう」の一言で集まるには豪華すぎる顔ぶれに、私自身が一番驚いていました。

でも、その日一番印象に残ったのは、肩書きではありません。
競技も世代も立場も違う人たちが、モルックを囲むと自然と笑い合い、「ナイス!」「惜しい!」と声を掛け合う。その光景があまりにも自然で、「スポーツって、こうやって人をつなぐものなんだ」と改めて感じました。
せっかく来てくださるなら、少しでも楽しい一日にしたい。そんな思いで、ほぼ予算ゼロながら賞品をかき集めたりルールを考えたりして、みんなで工夫を重ねました。豪華なイベントではなくても、気持ちはちゃんと伝わる。参加者の皆さんの笑顔を見て、そんなことを実感した一日でもありました。
振り返れば、この空気は10年間続けてきたラジオ番組「渋谷の体育会」が育ててくれたものなのかもしれません。
番組はボランティアで続けていますが、だからこそ「関わってくれた人に楽しい気持ちで帰ってもらいたい」という思いだけは、ずっと変わりません。そして、番組を通してパラスポーツを伝えてきたつもりだった私自身が、出演者や仲間たちから、人とのつながりの大切さや、挑戦することの楽しさを教えてもらってきました。
番組レギュラーも、今では大人になってからできた友達のような存在です。肩書きではなく、一緒に笑って、一緒に何かを面白がれる仲間がいる。そのことが、10年続けてこられた一番の理由なのだと思います。
「10周年だからモルックでも」
そんな軽い一言が、こんなにも温かい一日になるなんて。
これまで出会ってくださったすべての方への感謝を胸に、またみんなで笑い合える日を楽しみにしています。
…次は、10年後ではなく、もう少し早いかもしれません!
【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No.29からの転載】

平井理央(ひらい・りお) 1982年東京生まれ。2005年、慶應義塾大学法学部卒業後、フジテレビ入社。スポーツニュース番組「すぽると!」のキャスターを務め、オリンピックをはじめ国際大会の現地中継などに携わる。13年フリーに転身。ニュースキャスター、スポーツジャーナリスト、女優、ラジオパーソナリティー、司会者、エッセイスト、フォトグラファーとして活動中。







