フマキラー(東京都千代田区)が運営する「フマキッズこども研究所」は、11月17日、都内で、「第20回 虫や植物とふれあうコンテスト」の最終審査会を開催した。
「フマキッズこども研究所」は、ウェブサイトでの情報発信を中心に、小学生の夏休みの宿題の自由研究の進行サポートなどを行っている。その目的は、生き物や植物との触れ合いを通して、子どもの自然科学に対する探究心の向上や精神的な成長の一助となることだ。その一環として開催されているのが今年、20回 を迎えた「虫や植物とふれあうコンテスト」。全国の小学生を対象として、「虫や植物を題材にした自由な創作」をテーマに、7月20日から9月30日まで「実験と研究部門」「作文部門」「絵画部門」「工作部門」「音楽部門」の5部門の作品を募集した。
応募総数は1万376点で、最終審査会では一次審査を通過した約2000点の中から審査が行われ、フマキラー大賞5作品(各部門から1作品)とフマキッズ賞(学年を3区分し、2作品ずつ選出する部門賞)30作品、および記者が選出する特別賞1作品が選出された。
最終審査会に登壇したフマキラーの大下一明社長は、「コンテストが子どもたちの自信や成長のきっかけになっているとすれば、こんなうれしいことはない。私たちも審査を通じて子どもたちに成長させてもらっている」とあいさつをした。
審査は「絵画部門」五箇公一さん(国立環境研究所 生物多様性領域 室長)、「工作部門」﨑野隆一郎さん(本田技研工業・ハローウッズ 森のプロデューサー)、「作文部門」国吉純さん(フマキラーカダンアドバイザー)、「音楽部門」坂田明さん(ミュージシャン)、「実験と研究部門」は養老孟司さん(医学博士、解剖学者)、 大下一明さん(フマキラー代表取締役社長)、佐々木智基さん(フマキラー基礎科学研究部 部長代理)、丹羽智瑛さん(フマキラー応用開発研究部 研究員)がそれぞれ担当した。
会場での厳正な審査の結果、フマキラー大賞には、実験と研究部門に東京都の住友陽紀さん(2年生)の「長生きしてね!ゲンゴロウのじっけん」、作文部門は東京都の園山達仁さん(2年生)の「とべないセミが教えてくれたこと」、絵画部門は大阪府の篠原奏介さん(1年生)の「くわがたとかぶとむし」、工作部門は神奈川県の石倉遙真さん(4年生)の「ノコギリクワガタ」、音楽部門は東京都の内匠風亜さん(3年生)の「ヒトスジシマカとの夏」が輝いた。そして記者が選ぶ特別賞には、工作部門に習字でアプローチした東京都の徳冨菜月さん(4年生)の「虫・昆虫 漢字」が受賞した。
絵画部門の審査中、五箇さんは「画力がすばらしく、どれも甲乙つけがたい」とコメント。篠原奏介さんの作品については「とても大胆な色使いが素晴らしい。大人ではこういった色使いはできない。個人的にはピカソ級の画力だと思い、見た瞬間に心が打たれた。のびのびと自分が思ったように、色を塗っているところは、まさに芸術」とコメントした。
また審査会場で異彩を放っていた石倉遙真さんの作品(工作部門)には、審査員の崎野さんが「こんなに質感がよくてリアルなものは初めて。口のところや触覚のところもよくできていて、見た瞬間に『おぉ、これは!』という感じだった」と講評した。
さらに住友陽紀さんの作品を審査した養老さんは「ゲンゴロウが好きな食べ物、好きな場所、好きな色を探す実験で結果をグラフにまとめているところがいい。とても素直にきちんと観察した子どもらしい研究で、文章もしっかり書かれている」と授賞理由を明らかにした。