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「どうする家康」第17回「三方ヶ原合戦」家康に衝撃を与えた武田信玄の圧倒的な強さ【大河ドラマコラム】

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 しかも、その最強軍団を率いる信玄は、家康を見下すばかりでなく、「その大将は、ひ弱で臆病。されど、己の弱さを知る賢い若造じゃ」とある意味で認めており、器の大きさを感じさせる。その懐の大きさが、強敵の印象をさらに倍増させる。

 だが武田の強さは、同時に、それに立ち向かおうとする家康の成長も浮き彫りにした。桶狭間の合戦の頃は信長の名を聞いただけで震えあがっていたが、今回は同盟を結んだ信長に自ら援軍を求め、家臣たちを率いて必死に策を練る。ひ弱さが駄々漏れだった以前とは異なり、一人前の主君に成長した姿を見ることができた。

 とはいえ、絶望的なラストが、家康がまだまだ信玄に及ばないことを見せつけたのはいうまでもない。次の第18回「真・三方ヶ原合戦」では、その敗北のプロセスが描かれるはず。結果が分かっている中で、どんなドラマが繰り広げられ、家康は何をつかむのか。心して待ちたい。

(井上健一)

徳川家康役の松本潤 (C)NHK